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2004年4月 2日

Loser Dog Nation

書籍・雑誌

『ニューズウィーク日本版』4月7日号に「日本は負け犬国家だ」というタイトルで、三十代の未婚女性をテーマとした酒井順子さんの『負け犬の遠吠え』(講談社)を取り上げた記事。

日本版はまだ最新号なのでウェブ上に記事は出ていないと思いますが(いや、日本語版は記事のウェブ公開はないんだっけ?)、オリジナルの英文記事は "Letter From Tokyo: Loser Dog Nation"……なのかな? タイトル同じでも、かなり日本版の記事とは内容違うぞー。どういう編集判断なんだか(しかし署名を見るかぎりでは、英語版も日本語版も、同じ記者が手がけてるんだよなー)。

日本語版は、毒にも薬にもならん著者インタビューがメインで(というか、「負け犬」が話題になり始めてから酒井さんのインタビューあちこちに載りすぎ)、あたり障りはないんだけどなんか焦点ぼやけているような。英語版のほうは、英語圏の読者に日本の世間の空気を説明する必要性があると判断したのだろうけど、記事を書いた記者本人(Newsweek Internationalに勤める日本人社員?)の実感こもったエピソード(最近まで「負け犬」定義に当てはまっていた記者が、結婚したとたんに周囲から「やっと一人前」と言われるようになった、みたいな話とか)も盛り込んだりして、かえってこっちのほうが日本人の私が読んでも意図が明確で面白かった。

『負け犬の遠吠え』、ずいぶん前に目は通しているんですが、感想書いてなかったな。この項続く……かも。なんかさ、この「負け犬」というキーワード、インパクトがあまりに強いせいか、最近どうも一人歩きしちゃってるような気がします。

もともとこの本の根底にあるノリっていうのは、「別に私たち未婚で未経産の女性としては『私は私、あなたはあなた』で全然オッケーで、今の状況のメリットもデメリットも他人に言われるまでもなく分かっているし、悪気があってこの生き方になってるわけじゃないんですけど、どうも世間では暗黙の了解として「結婚できなくてかわいそう」とか「子供も産まずけしからん」ってことになっているみたいですし、説教してくる人にいちいち反論して平行線に終わって無駄にエネルギー消費するよりは、『はいはい、私たちは負け犬でございますよ、あなたがたはお偉くていらっしゃいますね』と一歩引いて(あしらって)おくのが吉じゃない?」ってなかんじなんじゃないかと思うんですが、どうでしょう?

というわけで、「負け犬」という言葉にことさらに噛み付いて「子持ち主婦だって無条件に幸せなわけじゃない」だの「勝ちか負けかは一概には判断できない」だの、さらには「人生に勝ち負けを持ち込むのはどうか」なんて今更なこと言っちゃってるコメントを目にすると、なんとなく割り切れない気持ちがするのです。なんつーか、こう、「皆さん真面目なのね、はー」って気分。

個人的には、この本の図式内では中間ポジションにあたる「既婚、子供なし」という場所にいるものの、どっちかというと負け犬メンタリティだしな、私。

しかし『Newsweek』に取り上げられるほどになりましたか、負け犬。そんなに社会現象化していたのか、負け犬。十代の頃、雑誌『Olive』で女子大生お姉さん「マーガレット酒井」の連載ページを読んでいた身としては、感慨深いものが。

Posted at 2004年4月 2日 16:32



All texts written by NARANO, Naomi. HOME