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2004年4月19日

みくだりはん。

言葉

わたくしが初めて「三行半(みくだりはん)」という日本語を知ったのは、たしか中学生の頃、めるへんめーかーさんの漫画においてでありました。めるさまの作品には、童話風世界をアレンジしたようなお話がとても多いのですが、このときも、王子さまに愛想を尽かしたお姫さまが三行半を突きつけて奔走、というような文脈で出てきた言葉であったと記憶しています。

以来、わたくしはずっと、三行半というものを「パートナーに見切りをつけたときにお別れを言いわたすためのもの」として認識してまいりました。そして、つい最近になって、たまたま『広辞苑』(また『広辞苑』かよ……岩波の電子版が欲しい)でこの単語の項目を目にして、愕然とすることになったのです。

みくだり-はん【三行半・三下半】
(江戸時代、簡略に離婚事由と再婚許可文言とを3行半で書いたからいう)夫から妻に出す離縁状の俗称。

ちなみに、「書いたからいう」という部分は、原文ママでございます(第5版EPWING版)。それはともかくとして。み、三行半って、定義としては「夫が妻を」離縁する場合限定だったのっ!? めるさまの作品と逆ですがな!

まあたしかに、江戸時代ならきっと「妻が夫を」離縁するというケースはあり得ないことになってたんだろうけど。現代において比喩として三行半という表現を使っている用例を探せば、「妻が夫を(あるいは、婚姻関係にない男女の場合において、女性が男性を)」のケースは山ほど出てくると思うぞ。なのに辞書の語釈では、「夫から妻」限定なのかあ。

「身内にも『懐妊』を使おう運動」は嫌だけど、「妻が夫に見切りをつける場合も『三行半』を使ってもいいことにしよう運動」は、なんとなく支持したいような気がする、結婚7年目突入直後の春(他意はなし)。

Posted at 2004年4月19日 16:06

コメント

ここがけっこうくわしかったです。
http://www.takaoka.ac.jp/zatsugaku/014/niwa_5.htm
実際の文面も紹介されてたりして。たしかに3.5行ぐらいですな。
女性からの場合は、実家に帰って3、4年待つとか、旦那が勝手に妻の衣類を質に入れるとか(!)、縁切り寺に駆け込むとか、方法はそれなりにあったようです(江戸時代前半)。
最後まで残ったのが質屋離婚だというのが面白いけど、これは妻の父親の権利なんだな。なるほど。

投稿者 ぱと : 2004年4月19日 19:44



その昔、「玉の輿」は女性が乗るものでしたが、最近では男性も乗るらしいので(「逆玉(の輿)」)、「三行半」も女性から男性へ与えるものとしてもよいのでは?
その場合名称は「逆三行半」?
なんかイマイチなネーミングですが。。。

投稿者 ruki : 2004年4月19日 23:52



●ぱとさま
わーい、こういう話題にマニアックな反応をしてくれるぱと兄が好き(はーと)。教えていただいたページを見てきました。なるほどなるほど。面白いっすね。妻側で離婚を望んで夫が同意した場合でも形式としては夫が三行半を書かないといけなかったのか。文章長めのやつについてる註で「4行目は、小さな字でつめて書いてあります。」というのに、ちょっとウケた。意地でも3.5行なのか。

●rukiさま
ぎゃくみくだりはん。略してぎゃくみく(略すな)。「く」の音が反復するのがよくないのかなあ。一括で「三行半」でも、どちらからどちらへのものかというのは大概の場合、文脈で分かりそうなので、区別する意味はあるのかなあ、という気もします。むかしは「看護婦」、「看護士」と性別で言い分けていたのが、最近はオフィシャルでは男女ともに「看護師」というらしいように。って、なにマジメに考察しているんでしょうか私は。

投稿者 ならの : 2004年4月20日 10:18



面白いと思ってネットでいろいろな調べてみました。実物のイメージを載せているサイトが多数ありましたが、文面にかかわらずみごとにみな三行半ですね。

http://kiemon.hp.infoseek.co.jp/ribetujyo.html

は妻側から夫側への例ですが婿養子なのでちょっと違うのでしょうか?男から女へというよりは「家」からの絶縁の意味があるのかもと思いました。
あと、一般的な内容は要するに<結果的に不縁であったので離婚した。再婚しても構わない>でしたが、いくつかのサイトがふれているように<理由を書かないのは思いやりから>というのには、はなはだ疑問をおぼえました。

投稿者 書庫の彷徨人 : 2004年4月21日 00:11



ほほー。やっぱり皆さん「三行半」なのか。その3.5行に収まりきらないあれやこれやも、あったりしたんだろうなあ。

教えていただいた URL の離縁状、「妻の母」が書いて「夫の兄」が書名・捺印って。うーむ。ぱとさんが教えてくれた「質屋離婚」も、発言権を持つのは「妻の父」だというし、やはり「結婚=家同士のつながり」っぽいかんじしますねー。

投稿者 ならの : 2004年4月21日 21:45





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