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2004年10月 1日

『Needing You(孤男寡女)』

映画・テレビ

2000年の香港映画。日本公開は2001年(日本語公式サイト)。監督ジョニー・トー、主演アンディ・ラウ、サミー・チェン。【Amazon.co.jp】

DVDで。先日はあえなく挫折した「今まで見逃していたアンディ・ラウ映画を鑑賞しよう」プロジェクトですが、気を取り直して、まずはあんまり「濃く」なさそうなところから。

「OLとその上司」が主役の、ほわほわとしたラブコメ。ヒロインの「キンキー(サミー・チェン)が、すんごく可愛い。くるくると表情が変わって。感情が昂ぶると素っ頓狂なことをしでかしてしまう大ボケ娘、真面目ではあるけど要領が悪く仕事をバリバリこなせるわけでもなく、大して美人でもなく、特に人気者でもない……という役どころなので、けっこう野暮ったいというか、どよーんとした顔もあるんですが、それがまた、いじらしい。そこからパッと表情が輝いたときのギャップが鮮やか。

しかしまあ、ラブコメのヒロインのお嬢さんが可愛いのは、これはもう当然ではありますね。というわけで、やはりここは、「相手役のアンディ・ラウまで可愛い」という点を強調しておくべきでしょう。ひゃー、びっくりした。

いや、『インファナル・アフェア』を観たとき、アンディ・ラウってスーツ似合うなあ……と感心したので、DVDパッケージのスティル写真を見てスーツつながりで選んだ作品だったんですけど。『インファナル』と打って変わって、このアンディは、ただちょっと脚が長くて顔が整ってるだけの(笑)、普通の人でした。いや、現実にはなかなか、いませんけどね、こんなかっこいい「普通のサラリーマン」は。この人って、若かった頃より、40代の今のほうが(多分これを撮ったときはまだギリギリ30代だけど)、颯爽としたシャープな外見になってるような気がする。

仕事はきっちりこなしても、人間関係の作り方は不器用で。やさしいところもあるけれど決して「できた」人間ではなくて。けっこうセコくて小物で。それがこんなにも新鮮に映るのは、演じているのがあのアンディ・ラウだからなんだろうなあ。本人や製作側も、それを承知しているようなかんじがする。とりたてて「コメディ」の演技をしなくても、淡々と普通に一般人の生活感をにじみ出させているだけで、アンディがアンディであるがゆえに、充分に可笑しいのだ、と。作中で、アンディ・ラウ主演のシリアス作品のパロディなんかもやってるし。

物語の前半では、隙のないビジネスマンとして、至らない部下のキンキーを半ば忌々しく、半ば「自分がフォローしてやらねば大変なことに」という思いで見ているアンディが、後半で自分の気持ちを自覚し始めたとたん、言動がちぐはぐになって、前半のキンキーと似たり寄ったりの自棄っぱち状態になっていくのが苦々しくも微笑ましい。でもでもでも、同時にかっこいいんだー。たとえピンクのゴム手袋をはめた手にトイレ掃除用のブラシを持っていても。不思議。やー、こんなかっこよく可愛らしい40歳(およそ)がいていいんだろうか。

ラブコメなんていうのはですね、結末は最初から見えているわけで。そうすると、主役の2人をどれだけ好きになれるかが、楽しめるか楽しめないかの明暗を分けちゃうわけで。そういう意味では、非常に楽しめましたよ。

ストーリーも、リアルなところと「コメディだから許すけどさ!」って荒唐無稽なところがほどよく混じって、テンポよく。ハリウッド系の恋愛モノよりも入り込みやすいかんじがするのは、やはり外国とはいえ、アジアが舞台だから? 私らの感覚ではゲテモノ系に分類されるような食べ物がエピソードに使われるのは、中華圏ならではだな。

えーと、実はこれ、もうすぐ封切りの金城武主演ラブコメ映画と同じ監督さんなんですわ。ラブコメだとこういう作風なのか。これはこれは、金城映画もすごく楽しみになってきました(いや、金城ファンとしてはもとから楽しみだけど!)。

Posted at 2004年10月 1日 10:04

コメント

「ラブコメだとこういう作風なのか」ってことは、アクション系はご覧になってるんですか? 『ザ・ミッション』や『ヒーロー・ネバー・ダイ』(が、大好きなもので)。でも、アンディ・ラウが出ているジョニー・トー作品だと、『暗戦』か…。

投稿者 なつめ : 2004年10月 1日 23:22



うわぁ、まさしく「次は『暗戦』にしようかなー♪」と思っているところだったので、その文末の「…」がとっても気になります(笑)。どきどき。

ジョニー・トー作品は、実は今まで全然、観てなくて、ただ金城武のデビュー作(『ワンダー・ガールズ/東方三侠 2』)の監督さんとして名前を覚えていたので、ずっとアクション物の人というイメージがあったんです。それで「へえ、ラブコメ?」って思ったのでした。

なつめさんが大好きだとおっしゃる2作品も観てみたいです。

投稿者 ならの : 2004年10月 2日 16:38



…に意味はないです! 大丈夫です、『暗戦』、きっと楽しめると思います。私がみたときの感想は、「複雑なストーリー展開にとまどいつつも、加速度的に増してゆく高揚感。ラストがかっこいい映画ってやっぱりいい」でした。

他の2作品には、アンディ・ラウは出ないのですが、現時点でのジョニー・トーの真骨頂を感じられる作品だと思っているので、機会があったらぜひ。

特にアンディ・ラウのファンというわけではないのですが、『フルタイム・キラー』での彼の扱いは、ファンがみたらどう思うのだろう……て感じでした。ならのさんはご覧になってましたっけ……。

投稿者 なつめ : 2004年10月 2日 23:02



あ、よかった。意味はないんですね。近々見てみます。楽しみ。おすすめの2作品も、きっとそのうち。

『フルタイム・キラー』、見てないです(だから、全然見てないんですってば)。どこかで予告編を見て、「反町隆史がベテランの殺し屋でアンディ・ラウが新人の役って、そのキャスティング逆じゃないのかー?」って思った記憶が。アンディがむりやり日本語しゃべってるらしいし、なんか恐ろしいなあ。

投稿者 ならの : 2004年10月 3日 10:13





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