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2004年11月17日

『2046』と1960年代

映画・テレビ | 王家衛

週末に念願の『2046』鑑賞を果たしたので、今まで目に入れないようにしていたほかの人たちの感想を心置きなくウェブ上で読みまくっているのですが……すごいねー、見事に賛否両論だねー。笑っちゃうくらい評価が真っ二つ。

ところでウォン・カーウァイ監督の『欲望の翼』、『花様年華』、『2046』の3作は、「1960年代3部作」と言われているそうなのですが、私にとって1960年代というのは、すごく馴染みのない時代です。まだ自分が生まれてない頃なので、実体験から検索できない。かといって、「歴史」として言及されるには最近のことすぎるのか、その時代を知らない人間向けにきちんと解説してくれた記述を目にすることがあまりない。意識的に探してないせいっていうのもあると思うんですが。その時代を知ってる人同士が盛り上がってるみたいな文章は時折見かけるんですけど。とにかく、なんだか一番、実感を持って捉え難い時代だったのです。

それが『2046』を観に行く少し前のある日、ふと「もしかして『花様年華』のラストあたりの1966年って、私の両親が結婚したのと同時期なんじゃないのか?」と思い当たりました。母が死んじゃった直後に、一度だけ見せてもらった、新婚旅行写真。あれと同じ時代、海を渡ったところにチャウ氏やチャン夫人がいたと思えばよいのか。そしてその翌年の、1967年と言えば……同居人A氏が生まれてるじゃん! 私の配偶者は、60年代生まれだったのか! 気付いてなかったよ!(←おい)

そのとき、ようやく「1960年代」というのが、私の頭の中で「リアル」になったのでした。遅いね。

さて。『花様年華』の終盤、チャン夫妻が借りていた部屋の大家さんが、「娘が心配して呼んでくれたのでアメリカに移住する」と言ってて、それがピンと来なかったのです。たとえば『インファナル・アフェア 無間序曲』でラウ(エディソン・チャン)の家族がみんな中国への返還を目前にした香港から逃げちゃってる、みたいな設定は、自分の記憶にある時代だから「なるほど〜」と思えたんですけど、1960年代後半の香港で、そんなよその国へ逃げなきゃいけないほどの不安要素って何だったの?……って。恥ずかしながら、全然分からなかった。中国の文化大革命はその頃だけれど、香港はそのときイギリス領だよねえ?? という程度の認識しかなかったのだ。

そうしたら、今度は『2046』の中で、「暴動」が起こってトニー・レオンもといチャウ氏が出歩けなかったりしているではありませんか。あらまあ、やっぱり香港もそういう物騒な時代だったのね! 日本の60年代もよく分かってない私が、外国の当時の情勢を理解しているはずもないんですが、それにしても、香港で暴動が起こっていたってことを、私はまったく知らなかったよ。大戦後はイギリス領として比較的安定していたようにイメージだけで思い込んでました。学校の世界史の授業でも、現代パートは駆け足だったしなあ。

そもそも私、香港映画が好きになりましたとか言ってるわりには、香港そのものに関する知識、なさすぎ。というわけで、今更ですが、段々とあの辺のことに興味が湧いてきています。

とりあえず、ウェブをぐるぐるしていて、All About: 興味深い香港史というリンク集を発見。ちょっとずつ回ってみようっと。

映画の中に出てきた「暴動」については、nancix diary: 香港大暴動と「2046」で分かりやすくまとめてくださっているので、感謝しつつリンクさせていただきます。

Posted at 2004年11月17日 00:39



All texts written by NARANO, Naomi. HOME