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2005年1月 2日

『ベルヴィル・ランデブー』

映画・テレビ

2002年発表のフランス製長編アニメ。原題:Les Triplettes de Belleville(ベルヴィルの三つ子)。邦題のもとになったBelleville Rendez-vous(主題歌の歌詞から取ってる)は英語圏での公開時タイトルらしい。監督・脚本・絵コンテ・グラフィックデザイン:シルヴァン・ショメ。(日本語公式サイト

今年最初の、映画館で観た映画。年末にお店でサントラCDを試聴して、あまりのかっこよさにそのまま買って帰ってしまったのですが、やはり映画本編も観たいよなあ、と思って行って来ました。

結論。ぎゃー、これ、大好き! ただ、とてもアクが強いので、人を選ぶね。手放しで誰にでもお勧めとは言えないなあ。(特に、ぴょんこぴょんこ跳ねる両生類が嫌いな某Dさんは絶対観ちゃ駄目です。)

戦後まもないフランス。両親を亡くした孫息子と二人暮しのおばあちゃんは、心を閉ざして何も言わない孫の気を引き立てようとあれこれ試みるなかで、彼が自転車に興味を持っていることに気付いて三輪車を買い与え、とうとうツール・ド・フランスに出場するほどの自転車ロードレース選手に育て上げる。けれどもレース中、孫はマフィアによって誘拐されて海の向こうへと連れ去られ、おばあちゃんは愛犬ブルーノと共に足漕ぎボートで巨大都市ベルヴィルまで追いかけて行くのであった……。

悪趣味スレスレというより、はっきり悪趣味なレベルまで戯画化されたキャラクター造形。時折挟まれる、どぎまぎするほどのブラックなギャグ。終始無表情、あるいはどこか物憂い顔しか見せない登場人物(および犬)たち。なのに全編を通じて妙な懐の深さとか、ノスタルジックさとか、じめじめ感の皆無なカラリと乾いた人情とかも感じられて、すごく複雑な後味。ストーリーはこんなに単純なのに。この複雑さは、なんとなくフランスっぽいなあと感じました。見慣れた日本やアメリカのアニメには、絶対にない種類の複雑さ。

そして何より、音楽がいいの! 最初に惚れ込んだサウンド・トラックの音楽が、映像とぴったり! ジャンゴ・ラインハルトやフレッド・アステアのデフォルメされたキャラが出てきたりというお遊びも楽しい。とあるシーンで、いきなり明らかにフランス国歌を意識したメロディラインが出たとこなんか、思わず座席からずり落ちそうになった。やってくれるなあ。

活躍するのが、みーんな「おばあちゃん」っていうのもオカシイ。特に主人公。ロードレーサーの孫がふらふらになりながら上っていく急な坂を、うしろからトレーナーとして「ピッピッ」と笛吹きながら三輪車で楽々とついていくおばあちゃん。孫を救い出すために、20分1フランで貸し出されていた遊覧用の足漕ぎボートで決然と大海原を渡っていくおばあちゃん(ちなみにこのときのBGMは迫力満点のモーツァルト)。すごすぎです。

そして一文無しでたどり着いたベルヴィルで、そのおばあちゃんと犬のブルーノを助けてくれるのが、(原題の)タイトル・ロールである、ベルヴィルの三つ子の老婆たち。彼らもとってもエキセントリックでタフでパワフルで。若い頃からトリオのヴォーカルグループとして舞台に出ているという設定で、主題歌(これ、ほんとにいい!)を作中でも披露してくれます。あと、映画を観る前に聴いたサントラCDの中に1つ、すっごい妙な曲があって(このCDにはジャケットに記載のないハチャメチャな「隠しトラック」があるんですが、それではなくて)、なんだろうって思っていたんだけど、こういう設定か!

画面の動きだけでストーリーを分からせて、ほとんどセリフがなくて、数少ないセリフがああいうふうに生きてくるのも、「やられた……」ってかんじ。やー、とにかく、惚れました。

そうそう、エンドクレジットのあとでもう1シーンあるので、もしこれから観る人がいらっしゃったら、くれぐれも最後まで席を立たないようにご注意を。

Posted at 2005年1月 2日 23:32

コメント

はい、Dさんで〜す。お気遣いありがとうございます〜。
そ、そうか、見ちゃいけないのか。
えーっと、リアルな○○○がだめなのよ〜。だから某サンリオの
まるまるまるっぴは大丈夫なの。薬局の○○○とか。
mixiからリンクたどって「へー、面白そう」とは思ったけど
「絵柄的にやばいかな?」と思ってはいたのですよ。いきなり
ご指名とは、新年早々びっくらこきました。うれぴいわん。
(って、別のDさんだったらシツレイ←んなわけないか)

投稿者 どら : 2005年1月 3日 15:49



どもー。今日はもう自分でも怖くなるくらい、なーんにもしてません。しょっちゅうネット見てるし。

この映画の例のアレはねえ、私でもちょっと「うげっ」と思ったような使われ方だったので、見ないほうが無難だと思います(笑)。決して、まるまるまるっぴのような可愛らしくデフォルメされたものではございません。

そうか、でもさすがに薬局のアレは大丈夫なのか。そうだよねえ、アレも駄目だったら、街を歩けないよねえ。

投稿者 ならの : 2005年1月 3日 17:44



※フランス版予告編
http://www.lestriplettesdebelleville.com/video2.html
※米国版予告編
http://www.apple.com/trailers/sony/thetripletsofbellville.html
※日本版予告編
http://www.klockworx.com/belleville/about/video1.html

やっぱり日本バージョンが一番おセンチだ。そして米国版は、主題歌も英語だ。

投稿者 ならの : 2005年1月 7日 19:48





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