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2005年1月29日

南條竹則『魔法探偵』

読了本 | 書籍・雑誌

集英社、2004年12月刊。【amazon.co.jp】

お坊ちゃま育ちだったけれど天涯孤独となってからは財産も目減りする一方の詩人・鈴木大切は、生活費を得るために探偵業を営むことにする。魚肉ソーセージを使った迷い猫の捜索手腕は、なかなかのもの。しかしあるとき、偶然とある詩人の会に紛れ込んだことをきっかけに、どこか普通でない依頼が舞い込みはじめて……。

どこがどういうふうに、というのを書くのはとても野暮なような気がするのだけれど、なんか好きです。一人称が「我輩」の主人公の、時代がかった浮世離れしまくりのレトロな語り口をずっと読んでいると、うっかり何十年も前の物語かと思いそうになるのですが、そこへデジタルカメラなんてものが登場して「はっ、そうだったこれは現代のお話だよ!」と引き戻されたりしてました。

そしてそれは、明らかに作者の思うツボなのです。何故なら、面白い部分がみんなネタばれになってしまうのでもどかしいのだけれど、これは「記憶」と「懐かしさ」の物語だから。

Posted at 2005年1月29日 17:19



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