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2005年3月31日

2005年3月に読んだ本

読了本 | 書籍・雑誌

今月はかなりペースダウン。「仕事が×ページ進んだら、なんか読んでよし」みたいに、馬の鼻先にぶらさげるニンジン扱いするための本を選んでいたので、細切れで中断できるものが中心です。


長嶋有『猛スピードで母は』(文春文庫, 2005年)
2002年の芥川賞で話題になったときにちょっと気になっていたのだけど、いつのまにか忘れてました。文庫で出ているのを見てゲット。表題作と文學界新人賞受賞作「サイドカーに犬」の2編が収録されてます。どちらも、ちょっとだけ特殊な家庭環境にある子供の視点で書かれているのだけれど、妙に感覚が懐かしいというか、「そうそう、そういう気持ちって、あるよね!」と激しく熱く頷きたくなるというか。文章自体は、とても淡々としていて、そういった熱い頷きを拒否しているような気もするのですが。【Amazon.co.jp】

壇ふみ・阿川佐和子『けっこん・せんか』(文藝春秋, 2004年)
往復エッセイ集で名コンビぶりを発揮しているお二人の対談集。2004年の時点で、お二人は知り合って22年だそうで。この二人の仕事は、内容も楽しいんだけど、社会人になってから出会った属する業界が違う相手と、ここまでカラっとした友情が続いているのって、なんかすごいよなあ……という憧れの気持ちで読んでいる人も多いのではないか。1987年から2004年までの、さまざまな媒体に掲載された対談が入っているので、同じネタが表現を変えて何度も出てくるのはご愛嬌。【Amazon.co.jp】

群ようこ『きものが欲しい!』(世界文化社, 2002年)
西原理恵子画伯の色鮮やかな表紙絵がとっても毒々し……じゃなくて、キュートだったので(笑)。タイトルで一目瞭然ですが、群ようこが、大好きな着物について語ったエッセイ集。着物美人との対談もあり。晴れ着としての着物ではなく、日常着を語っているところや、呉服屋さんとの確執なんかを正直に書いてるところがよかったです。しかし、サイバラさんとの『鳥頭対談』(朝日新聞社)でも思ったんだけど、30分のあいだに娘の金を使って勝手に500万円の買い物をしちゃうような母親に強く出られない群さんとこの親子関係って、私の感覚では想像を絶している。【Amazon.co.jp】

穂村弘『世界音痴』(小学館, 2002年)
エッセイ集。著者は歌人。なんか、「ああ、わかるなあ」という気持ちと、「社会人としては、これを『わかる』とか言ってちゃいかんのではないか」という気持ちのあいだで揺れ動いてました。世界と自分とのあいだに、膜が張ってるというか、自分が世界と微妙にズレてるというか、そういう感覚を、なぜこんなにリアルに、感傷的になりすぎずに乾いたかんじに表現できるの? みたいな。可笑しいんだけど、痛い。青木るえかの表現する「痛さ」から「どぎつさ」を抜いたような、寂しい痛み(いや、文体も芸風も全然違うんだけど)。この人の短歌をもっと読んでみたいなあ。【Amazon.co.jp】

hanae『小学生日記』(プレビジョン, 2003年)
現在は「中学生日記」を連載中の、ハーフで帰国子女の子役モデル「ハナエ」ちゃんが、小学生時代にウェブで連載していたエッセイに加筆修正を加えたものと、読売作文コンクール受賞作品を収録。いやー、びっくりするほど面白かった。いろんなものをしっかり吸収しながら、とてもまっすぐ育っている子だなあ、というかんじがします。小4のときに書いたという作文コンクール受賞作がまた、泣けるんだわ。自慢のお兄ちゃんの話。とにかく、すごく面白かったよ! これから、どんなふうに育っていくんだろうなあ、この子。これだけしっかりした、観察力に裏付けられた文章で、なおかつ現役小学生視点っていう取り合わせが、妙に新鮮でした。【Amazon.co.jp】


漫画では、


安野モヨコ『監督不行届』(祥伝社, 2005年)
ちょっと前にいろんなところで話題になっていた、オタク映画監督(庵野秀明)と結婚したオシャレ系漫画家さんの日常モノ。楽しそう。【Amazon.co.jp】

森薫『エマ』第5巻
いろいろあったロンドンから戻って勤め先で制服に着替えるときに、セリフ一切なしで何コマも使って淡々とその着替えの仕草を丹念に追いかけたシーンが、うまいなあ、せつないなあ、と思いました。こういうの、漫画ならではですね。「やっぱ制服萌え?」ってのも少し思ったけど(笑)。エマがあんなに感情を豊かに出すようになるとは思わなかくて意外。いったん抑えて諦めた気持ちが噴出してピークなんだなあ。【Amazon.co.jp】

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All texts written by NARANO, Naomi.