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2005年7月31日

2005年7月に読んだ本

読了本 | 書籍・雑誌

約2年ぶりの「ハリー・ポッター」新刊で、脳内がお祭り状態の月でした。


酒井順子『枕草子 REMIX』(新潮社,2004年)
酒井さんがいつもの語り口で解説してくれる、「枕草子」論。平安のエッセイスト清少納言には、ものすごく親近感を持っていらっしゃるようです。「架空対談」のページのなかで、彼女に

「意地悪って。みんな私の書いたことを読んで『そうそう』とか思ってるクセに、口では『意地悪』っていうのは、ずるいと思うわ」

などと言わせているのって……ぜーったい、酒井さん、ご自分のエッセイについても、そういうふうに思ってそうだよなあ(笑)。【Amazon.co.jp】


酒井順子『先達の御意見』(文藝春秋,2005)
あの『負け犬』本の前後で、酒井順子が自分より上の世代のさまざまな「先達」の人々とのあいだにおこなった対談をまとめたもの。相手は阿川佐和子、内田春菊、小倉千加子、鹿島茂、上坂冬子、瀬戸内寂聴、田辺聖子、林真理子、坂東眞砂子、そして最後に香山リカと一緒に全対談を俯瞰。たしかに、あの本のヒットがなければ、実現しなかったであろう組み合わせが多い。特定の対談が、というより、すべてを読んだうえでの香山リカによる総括(ツッコミ?)が一番面白かったです。

酒井順子は、この本の中で何度も、独身仲間との「自分たちは幸せに生きていると本心から言ってても、世間の皆さまからは一方的に“負け犬の遠吠え”のレッテルを貼られちゃうんだよねえ」みたいな会話からヒントを得て『負け犬の遠吠え』のタイトルをつけたと説明しています。インパクトが大きく、人目を引くうまいタイトルなんだけど、一人歩きしちゃった感がありますね。さぞかしいろんな方面で、本の主旨を理解してない人から「負け犬なんてひどい!」みたいに言われちゃったりしたんだろう。

酒井順子自身は、自分が独身者であるという事実を、マジで「別に不幸ってわけじゃないしぃ? いーじゃん、どっちでもー」で片付けていたのに対し、世間の皆さんには、酒井さんが思ってた以上に「結婚してこそ幸せ」という固定観念が根強く残っていた、というところでしょうか。でもヒットしたのはよかったね。おかげで、こういう本も出せるわけだし。【Amazon.co.jp】


J. K. Rowling "Harry Potter and the Half-Blood Prince" (Bloomsbury, 2005)
子供向け装丁のイギリス版です。シリーズ6冊目。ちょうど3連休の初日が発売日だったので、お休みのあいだに一気読み。やっぱり好きだー。ドラコ好きには、これまでで一番、萌えポインツが多かったし(笑)。段々、最終巻である次の第7巻に向けて、事態が大きく動いていきます。【Amazon.co.jp】


矢崎存美『ぶたぶたの食卓』(光文社文庫,2005)
ぶたぶたさんの「家庭の事情」の一端が明らかにされていて、ちょっとびっくり。知りたくなかったような気も。アサリ食べたーい。【Amazon.co.jp】


穂村弘『本当はちがうんだ日記』(2005,集英社)
インパクトは、最初に読んだ『世界音痴』のほうがあったかなあ。でもやっぱり、「分かるような、分かるって言っちゃいけないような」という、いたたまれなさ(褒め言葉のつもり)は健在。【Amazon.co.jp】


ロバート・J・ソウヤー『ヒューマン〜人類〜』(内田昌之・訳/ハヤカワ文庫SF,2005)
『ホミニッド〜原人〜』の続編。前作よりも恋愛色が前面に来ている雰囲気だが、それぞれ異なったパラレル・ワールドの住人である二人なので、まだまだいろいろ問題山積みで大変ですね、というところで次巻へ。なんとなく、向こう側の世界から大使としてやってきた人々が親善目的で無償にて提供している最新技術とかが、波乱を呼びそうな気がするなー。そういうことされると、こっち側の世界での企業秘密や特許なんて概念が、無意味になっちゃいそうな。

3部作の真ん中なのに、巻末解説において「最終巻である次作のラストでは(中略)さらなる紆余曲折を経て、堂々たる大団円を迎える。」とか書いてあるのは、いかがなものか、どんなトラブルがあっても「どうせお約束の大団円」と分かっていたらハラハラドキドキ度が下がってしまうではないか……と、一瞬思ったものの、よく考えたら、これまでに読んだソウヤーの長編14作のなかで、おめでたい結末でなかったものなど1つもないので、今更でした。【Amazon.co.jp】


安野モヨコ『働きマン』第2巻(講談社 モーニングKC,2005)
こういう漫画の人気が出ちゃうっていうのはつまり、好きな仕事だけど、へろへろに疲れきってしまうときもあって、それでも「辞めていいんだよ」とか言われるより、むしろガンバレと応援してほしい女の子がたくさんいるってことなんじゃないのかなあ。「女の子なんだから、仕事なんかでがんばらなくていいんだよ」ということを言われて「ちがーう!」と思ってる人は、今の時代でも意外と多いような気がするのだ。男女問わず、いろんな立場の人にスポットライトが当たるのがよいですね。(8/9追記:掲載誌自体は、女性向けってわけではないのかな? でも、女の人のサイトで感想をよく見かけるような気がする。)【Amazon.co.jp】


吉野朔実『ジュリエットの卵』全3巻(小学館文庫,2001)
1988年から1989年にかけて、ぶ〜けコミックスで出ていた作品の文庫版。なんだか急に再読したくなって衝動買いしました。個人的に、一番思い入れの強い吉野朔実作品は、これの1つ前に連載していた『少年は荒野をめざす』なんだけど、作品として「とにかく巧い」と思うのはこっち。【Amazon.co.jp】


大和和紀『はいからさんが通る』全8巻(講談社コミックス,1975〜1977)
今月は、どうにも置き場の足りない書籍類をざっくり整理しまして、これも処分本のほうに入れてしまったのですが、手放す前に最後の再読をしました。やっぱり面白いや。【Amazon.co.jp】


榛野なな恵『Papa told me シーズンセレクション』全4巻(集英社YOUNG YOU特別企画文庫,1996)
これも、処分本に入れつつ、最後の再読。「また読みたくなったら、今度はセレクションじゃなくて普通の単行本を買えばいいや」と思ったんですが、よく考えたら、30冊近く出ているはずの普通の単行本を揃えたら、もっともっと置き場のスペースが必要になって、今回処分した意味がないのでは。【Amazon.co.jp】


ところで、えーと、6月末の読書メモへのトラックバックで、「ブックバトン」なるものを回していただいていたんですが、サイトの更新自体をずっとサボっているうちに、すんごく今更なかんじになってしまっているので、パスさせていただくことにしました。申し訳ない。

Posted at 2005年7月31日 22:21

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 33万部のベストセラーとなった『負け犬の遠吠え』の著者の対談集。人生の先達とし... [続きを読む]

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コメント

「働きマン」、そんな視点で考えたことなかったわ〜。
安野もよもよさんが「情熱大陸」かなんだか忘れたけど30分番組に出ていて、ちょうど「働きマン」の構想ねってるときだったんすよねぇ。
うわ、モーニングでやるんだぁとわくわくしたなぁ。
しかし売れっ子だなぁ。すごいなぁ。同い年なのになぁ。才能だなぁ。
私も仕事で講談社行くことあるんですけど、「あー、このカット、●階のあそこ?」みたいなのがあって、おもろいです。
登場人物にもしっかりとモデルがいるんだろな。

投稿者 pili : 2005年8月 5日 23:11



どもー。『働きマン』、読んでる人、多いなあ。
へえええ、実在する出版社のビルに似せて描いてるんですね。そういうの、分かる人には分かるってかんじで、いろいろ楽しみ方があるんでしょうねえ。一般読者として読むぶんには、分からんでもまったくオッケーなわけですが。

ちょうど、たまたまこないだの日曜日(多分)に、同居人が「今、テレビに安野さんが出てるよー」と呼んでくれたので見に行ったら、安野さんが仕事場で取材を受けてらして、旦那さまの庵野さんもちらっと出てらして、おお、これがあの『監督不行届』夫婦なのね……と見入ってしまいました。

投稿者 ならの : 2005年8月 9日 00:38





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