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2005年8月31日

2005年8月に読んだ本

読了本 | 書籍・雑誌

なーんかいつもにも増して気持ちをゆったりさせられなくて、気ばかり焦るなかでいろんな本に手を出しては途中で放置、ということを繰り返してしまいました。気が付いたら、最後まで読んだ活字の本って、1冊しかない! しかしどらさんのおかげで『百鬼夜行抄』に出会えたことは、この夏の大収穫でした。

積んどくだけよりさらに質の悪い「読みかけ本」の山を多少なりともなんとかすることが、9月の課題です。


香山リカ『〈雅子さま〉はあなたと一緒に泣いている』(筑摩書房,2005)
「雅子さま」を題材としつつ、語っているのは男女雇用機会均等法以降の世代の女性たちの抱えるストレスなどの分析。子供の頃からずっと、とにかく自力で頑張れば性別に関係なく成果が出せて報われると信じていたのに、結婚・出産が絡むと、突然自分だけの努力ではどうにもならない世界に放り込まれてしまう、というのはみんなに共通の話ではないのか、みたいな視点で。あと、親との問題とか、いろいろ。

分析されたからどうなるというわけでもないんですが、面白かったです。多分、香山リカ自身が、お勉強に仕事にと真剣勝負で成果を出し続けて来た女性として、そういうプレッシャーを感じているんだと思う。個人的には、本書の中で香山さんが、前にここでも言及したことのある『オニババ』本をかなり強い語調で批判しているのに受けた(笑)。香山さんも一応、あの本で「オニババ」とか「ろくでもない女性」とか言われてる層に入るもんね。個人的には、香山さんが本書の中で

「働く喜び」は、ある人たちにとっては何にもかえがたいものなのだ。それは、仕事の内容や収入にも、男であるか女であるかにも関係ない。

と言い切っているくだりで、すごく気が楽になったよ。まあ、そういうことをおっしゃる香山さんご本人は、誰がどう見てもご立派なお仕事をなさっているわけですが。オニババ本の三砂先生は、「第三者から見てつまらない仕事」をずっと続けている人に対して、けっこう視線が冷たかったからなあ。【Amazon.co.jp】


綾辻行人・佐々木倫子『月館の殺人』第1巻(小学館 IKKI COMICS,2005)
連載が始まったときに、綾辻行人と佐々木倫子ってすごい組み合わせだなあ、と気になってはいたんですが、いつのまにか単行本が出るほど進んでいたのですね。ヒロインのボケっぷりが、とっても佐々木倫子テイスト。これからどういう展開になるか分かりませんが、たとえミステリとしての収束の仕方が私の好みじゃなくても、マンガとしては佐々木さんが最後まで楽しくまとめてくれそうで安心(綾辻さんに失礼ですよ>私)。【Amazon.co.jp】


野間美由紀『パズルゲーム☆はいすくーる』第11巻(白泉社文庫,2005)
野間美由紀は、同居人A氏が好んで買ってくるのです。これもいつのまにか本棚に入ってた。このシリーズは頭が疲れたときにぼーっと読むのによいです。って、パズラーをそんな読み方していていいのか。【Amazon.co.jp】

西村しのぶ『一緒に遭難したいひと』1〜2巻(講談社,2005)
どらさんが話題に出していらっしゃったのを読んで興味を引かれてお借りしました。女の子(20代後半、時々文筆業)がたくましい自由人で、男の子(公務員)が堅実かつ可愛いぽややんキャラ。とにかく元気!ってかんじのお話でした。
【Amazon.co.jp】(1巻)

今市子『百鬼夜行抄』1〜13巻(朝日ソノラマ,1995〜2005)
今まで、書店で平積みされてるのを見ても要するにお化けのお話なんでしょー、としか思わず、なんとなく敬遠していたのだけど、これもどらさんにお勧めされて、どどんと貸していただきました。うわー、今まで読んでなかったなんて不覚! すっごい好み! おもしろーい! ぞくっとする部分としみじみする部分と笑える部分がほどよくあって。あと、「あ、漫画で叙述トリックって、こうすればアリなんだ!」みたいな、さりげなく凝った構成の話が多いのもツボ。主人公の男の子もよいね。お金の問題じゃなく「育ちがいい」ってかんじの子。人外のものが見えてしまう体質がゆえにお友達は少ないのだけれど、かえってまっすぐ健全に育っているというか。こういう子、好きだなあ。主人公だけじゃなく、どの主要キャラも素敵です。人も人じゃないのも。絵もストーリーも密度が高くて、味わって読もうと思うと、いくらでも時間をかけられちゃうので、仕事の合間に全巻読みとおすのはけっこう大変でした(笑)。また読みたいが、あんまり長くお借りしているわけにはいかんので、自分用にも買おう。絶対買うよ!【Amazon.co.jp】(1巻)


森薫『エマ』第6巻(エンターブレイン,2005)
発売されたばかり。ぎゃー、なんか大変なことに!【Amazon.co.jp】

Posted at 2005年8月31日 14:43

コメント

むー
香山リカがそんなことを!
いや香山リカのファンですが…
だってあの人専門職じゃん><勝ち組じゃーん(笑)
日記に書こうっと。

投稿者 ロシ : 2005年9月 2日 12:12



いやでも、そこで「勝ち組」とか言い出しちゃうと話が振り出しに戻るのでは(笑)。
そりゃ、わたくしだって、代わりの人はいくらでもいる、一介の女工哀史系な使い捨て労働者に過ぎませんが。

でも学者先生という世間的にエリートと見なされるポジションから見下ろされて「あなたが仕事を続ける価値なんてあるの?」って問われるよりは、たとえ香山さんのようなご立派な方にでも、「仕事内容は関係ないよね、みんな一緒だよね」って言ってもらえるほうが、救われるなあ。きれいごとかね?

って私、なんかズレたこと書いてるかな? ロシさんの日記をまだ拝読していないのでな。

投稿者 ならの : 2005年9月 2日 12:42



んーと、だからさ。あくまでも「ある人たちにとっては」の話なので、そうじゃない人たちもいるってことは前提で。

投稿者 ならの : 2005年9月 2日 12:48



あ、ちなみに、香山先生の本からの引用箇所は、オニババ本批判とは別の章の文章なのね。考え方の違いとして引き合いに出しただけで。

投稿者 ならの : 2005年9月 2日 13:16



今市子さんの他のマンガは読んでます?
私が今一番新作を楽しみにしているのがよしながふみさんだとすれば、今一番たくさん読み返しているのは今市子さんです。『大人の問題』とか『楽園まであともうちょっと』はすごくオススメ。……あくまでBL系に拒否反応がなければ、ですが。(笑)
腐女子なくせしてあんまり生々しいBLは苦手な私ですが、今市子さんのは大丈夫です。

投稿者 To-ko : 2005年9月 9日 22:14



To-koさん、こんばんは。To-koさん、しっかりお読みでいらしたのですね、今市子さんの作品。オススメありがとうございます。わーい。

今回、『百鬼夜行抄』でどっぷりハマって、さっそくこの方の別作品も……と思って検索かけたら、BLレーベルの本がざくざく出てきたので、ちょっとびびっていたところでした。でも、大丈夫なんですね! 読んでみます。

よしながふみさんも、今まで読んだものはどれもすっごく好きなんだけど、BL系は描写が生々しいものもあるという事前情報を得て、結局「一般向け」の作品しか読めてないんですよね。BLそのものが駄目っていうよりは、生々しいのが苦手(特に漫画は絵があるから)。

なんか、そういうのでいろんなジャンルの名作を逃がしているような気もして残念ですが。

投稿者 ならの : 2005年9月11日 23:54





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