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2005年9月14日

『銀河ヒッチハイク・ガイド』(映画版)

映画・テレビ

2005年のアメリカ・イギリス映画。原題:The Hitchhiker's Guide to Galaxy。監督:ガース・ジェニングス。出演:マーティン・フリーマン、モス・デフ、サム・ロックウェル、ズーイー・デシャネル、ウォーウィック・デイヴィス、アラン・リックマン(声)他。【公式サイト】

伝説の古典お馬鹿SF『銀河ヒッチハイク・ガイド』(←リンク先は原作本の感想)、ついに映画化! というわけで、映画化情報を知って以来、期待と不安にどきどきしながら公開を待っていたわけです。ええ、公開初日の9月10日に、行ってまいりましたよ!

えーとね、ほんっとに、お馬鹿映画でした。もちろん(2時間程度でまとめなくちゃいけないわけだから)原作そのままではなく、随分内容をすっきり分かりやすい話に整理したなあという印象だけど、ちゃんと原作どおりに、お馬鹿でハチャメチャでチープでした(褒め言葉)。

原作を日本語で読んだときにも、この皮肉っぽい、結局は人生そのものが馬鹿話の連続だよねーなどと思わせてくれるコメディ・センスはいかにもイギリス作品……と思ったのだけれど、俳優さんたちがイギリス英語で演じてくれると、ますますそれを実感。このお話、もともと小説になる前にラジオドラマとして発表されたそうだけれど、それも聴いてみたかったなあ。

個人的に、映画版ではオープニングにハートをつかまれた! たしかに原作にも書いてあるエピソードなんだけど、あれを冒頭に持ってこられてあんなふうに演出されると、「こ、これ何の映画だっけ?」と“目が点”状態に。でも好きだー! DVDが出たらこのオープニングだけエンドレスで再生したいくらい。

宇宙で一番うしろ向きな精神を持つロボット、マーヴィンの造形は、前にも書いたんだけど、なんだか川原泉のマンガに出てくる宇宙人みたいで、原作読んでイメージしてたのとはまったく違ってたので、最初はどうなることやら、と思っていました。でも、これはこれでアリかなー。アラン・リックマン(ハリポタのスネイプ先生)がしぶーい低音の声でウツウツと語ってくれるし。かわええ!

けれどもね、おしまいに画面中央に「For Douglas(ダグラスに捧ぐ)」という文字が浮かんだときには、ちょっとホロリとしちゃったよ。うわーん、こんな阿呆映画で泣いたりしてごめんなさいー。でも原作者(この映画の脚本のベースとなった映画用脚本を自分で書いてた)の故ダグラス・アダムスさん(2001年に49歳で急逝)にも、完成した映画を観てほしかったよねえ。

原作本の新潮文庫版を(2冊も)持っているのに、ついつい新訳の河出文庫も買っちゃったぜー。 河出版、まだパラパラめくっただけだけど、映画の字幕は、固有名詞の発音表記が一部、より英語に近い読みになっているのを除けば、今回の映画化にあわせて発売されたこの河出版よりも、どちらかというと現在絶版の新潮版に近いんだろうか? 決めの言葉も「あわてるな!」だし。河出版は「パニクるな!」になっていてびっくりした(笑)。

それにしても、日本では今ひとつ、盛り上がってませんよねえ、この映画。英語圏では興行トップを取った週もあったりと、かなりの盛り上がりっぷりだったのに。 BBCのサイトでは、公開前から専用の応援ページなんかも出来てたりしたし。


盛り下がり其の1
なんせ、日本では上映される場所が、全国でたったの9館。しかも関東より北、関西より南には上映館なし。

盛り下がり其の2
そのなかでも私が行ったシネコンでは、たったの57席しかない、設備の整ったプレミア・スクリーンのみでの上映……って、これは一見「冷遇」ではないようなのだが、ここって普段は、通常のスクリーンでも上映してる作品を、追加料金払ってゆったり鑑賞するための部屋だよねえ。要するに、収容人数の多いハコをつぶす価値のない、57席しかないところでの上映で十分な集客力のない作品だと見なされたのである。ちなみに、通常料金でした。プレミアム料金を取らずにお客を入れるデメリットより、通常スクリーンをこの映画のために塞ぐデメリットのほうが大きいと判断したのでしょう。

盛り下がり其の3
初日とはいえ初回上映ではなかったのに、映画館内の売店で「銀河ヒッチハイク・ガイドのパンフレットください」と言ったら、売店の人は該当するパンフがどれだか分からなくて、あたふたしていた。ほかにパンフ買った人いないのか!

盛り下がり其の4
57席しかないのに、空席がちらほら……。

盛り下がり其の5
映画がエンドロールに入った時点で、さらに人が減ってたような気がしてならない(つまり、あまりの馬鹿馬鹿しさに途中でイヤになって退席した人がいるに違いない)。少なくとも、エンドロールが始まった瞬間、そそくさと出ていった人は多数。(でもエンドロールの途中にもネタが挟まっているので、ファンは本編ラストシーンのあとも座ったままで、最後まで観ていましょう。)


とにかく、万人にお勧めはできないけど、私は楽しゅうございました。真面目な人が見たら怒りそうな作品で、あっという間に上映が終わってしまいそうな予感がするので、興味のある人はお早めに!

(ひとりごと。あのイルカさんたちに、『スタープレックス』のイルカをやってほしいなあ……。)

Posted at 2005年9月14日 02:30

コメント

サイコドクターの方も絶賛(とまではいってないか)してましたね。満席だったとか。六本木と八王子しか上映しないんですか。観たかったなぁ

投稿者 ロシ : 2005年9月23日 16:57



まあでもあれだ、小規模上映だからこそ、そこそこ席が埋まっているのではないかとも思うし。イギリス系のお笑いセンスがツボにはまる人とはまらない人がいるし。ネット上では「何がおもろいのか、わからん」という感想の人もいるよ。とにかく原作への愛は感じられる映画でした。

投稿者 ならの : 2005年9月23日 22:39



おひさです。
なんやかやで今の家にはメタリック線が引けないみたく、難儀しております。あとはケーブル線か?
ヒッチみましたよ。
オープニングは最高でしたねぇ。あのセンスで全編いってくれていたら中だるみもなかったのかも…。マーヴィンについては最後まで違和感が残ったな。新潮文庫版が頭にあったからね。
でもまあ、よい(?)映画でしたわ。

投稿者 モリナオ : 2005年10月17日 13:46



うわー、モリナオさん、お久しぶりです!! 元気でした? ずっと前に一度、携帯にメール入れたんだけど分かった? 実はキミが手書きで教えてくれたメールアドレスが、いまいち自信を持って判読できなかったので、全然違う人のところに届いたのではないかと微妙に心配していました。送っていただいたご本は、大変面白く読みました(いつの話だ)。

ヒッチハイク・ガイド、やっぱりオープニングは素敵ですよねえ。マーヴィンは、まあ、映画を売り出すためのオリジナル・キャラクターだと思えば。

よい(?)映画でしたね。

投稿者 ならの : 2005年10月17日 16:53





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