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2006年3月 3日

香山リカ『結婚がこわい』

書籍・雑誌

講談社、2005年3月刊。【Amazon.co.jp】

「現代の結婚」の問題を突き詰めて考えてみました、そしたら「親子の問題」や「国策の問題」が浮上してきちゃいました、みたいな本(乱暴すぎる要約ですみません、もっといろいろテーマ別の章に分かれてたんですけど)。

前に読んだ『〈雅子さま〉はあなたと一緒に泣いている』ともかぶる話もちょこちょこあったかな。論点どころかネタまで同じだったり。同じ頃に方向性の似通ったテーマで出版されてるしなあ。きっとこの時期、香山先生にとって強烈なインパクトのあるネタだったんだろう。

正直、10年くらい前の私は、まさか自分が結婚するなんて夢にも思ってなくって、親から強引にお見合い話を持ちこまれたりしてはピキピキするストレスフルな毎日を送っていました。自分が今、(ちょっと世間からは浮きつつも)既婚者のポジションにいるのは、ただひたすらに偶然が重なったせいに違いなく、当時は婚姻届を出すことにも微妙な抵抗があり、今でも時々「嘘みたいだなー」と思ってる。ただ、その一方で、ひとり暮らしをやめてふたり暮し(現在は舅姑と同居なので4人暮らし)になること自体について葛藤はなかったし(それを実現させるための紆余曲折は、前述の婚姻届の提出に対する抵抗感も含めて、いろいろあったけど)、今でもまったく後悔はしていないし、だからここで提示されているような「結婚のこわさ」っていうのは、あるということは理解できるのだが、自分自身では実感していないような気がします。

それはとてもラッキーなことであると同時に、今のこの時代にあって、私のこの能天気なハッピーさは、「こわさ」を敏感に知覚している人たちに対して、ともすればとても鈍感な態度で接してしまったり、あるいは社会がどういう方向に進んでいるのかということに、まったく気付けずにいたりするかもしれない、危うさを孕んだ要素でもある……と思う。

私が定期的に、こういった本に手を伸ばすのは、きっと、そのせいだ。自分のその危うさを、自覚していたいから。

それにしても、この本で描かれる「いまどきの三十代女性の親」像って、うちの親にはほとんど当てはまらないような……。「都会の人たち」をターゲットにした本なのか、それとも全国的に傾向は推移しているのに、うちの周辺だけが、いまだに古臭いのか。

Posted at 2006年3月 3日 23:45



All texts written by NARANO, Naomi. HOME