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2006年3月31日

主題歌差し替え問題・その後

映画・テレビ | 音楽

先日から当blogでもあれこれ言ってる、映画「SPIRIT」の主題歌差し替え問題ですが、リンクさせていただいている「SPIRITの魂はジェイ・チョウの霍元甲にある」blogで、進展があったことを知ったので、ちょこっと感想。

映画の配給元ワーナー・ブラザーズのサイトにある、ワーナー・ブラザーズ映画 宣伝マン日記によると、夏に出るDVDとビデオには、劇場公開版ではなくジェイ・チョウの主題歌が入ったバージョンが収録されると決定したようです。やっぱ、ネットでみんなが騒いだ(3/31現在Googleで「SPIRIT 主題歌 ジェイ・チョウ」を検索すると、44,100 件ヒットだよん)おかげもあるかな? やっぱ、騒いでみてよかった? 最初から劇場で大きなスクリーンを前にオリジナルの主題歌を聴けたら、もっと嬉しかったですけどね。

それにしても、差し替えバージョンのほうの、後付けの日本語テーマソングを歌った日本のバンドの若者の皆さんも、こうなってくるとちょっと気の毒だな、と思ってみたり。この方たちには、別に恨みはないし。彼らにしてみれば、本来は自分たちのアルバムのためだけに作った既存の曲をいきなり「これから公開する映画の主題歌として使いたい」なんて依頼されて、快く許可を出したにもかかわらず、結局いまいちお客さんの反応がよくなかったと言って、DVD化の段階でさくっと「なかったこと」にされちゃうわけでしょう。「SPIRIT」の日本用テーマソングとして使われたおかげで、かえってマイナスのイメージがついちゃったとも考えられる。まんまと乗せられて振り回されたとも言えるわけだよね。合掌。

そして、DVDにジェイ・チョウ主題歌バージョンが入ると知って、素直に喜んではいるし感謝もしてはいるものの、その一方でどーーーもやっぱりすっきりしない気持ちも残っているのは、件のワーナーblog(宣伝マン日記)における


ジェイ・チョウの楽曲は、もともと東南アジア以外の国では使用できない契約に
なっているため日本では日本のアーティストの楽曲を使用することになりました。
いろいろと憶測が飛び交っておりましたが、あくまでも契約上の問題であることを
改めてご理解ください。


という物言いのせいかもなあ。もともと使用できないことになってたのなら、2月の時点で、ジェイ・チョウを自ら指名した主演俳優が、ジェイの来日コンサートに寄せて日本のファン向けに熱いビデオ・メッセージを送って期待を高めてくれていたというのは、いったいなんだったのか……なんてことはもう、いまさら言いませんが(←言うてるがな)。

DVD化にあたって新たに契約を交わしたらジェイ・チョウの曲を使えるようになったということは、最初の時点でだって、何がなんでもどうしてもジェイの曲は使えない状況だったんです、というわけじゃなさそうだよね? つまるところは、最初の時点では、ワーナー側の判断として「楽曲使用契約の必要ナシ! 別の曲でGO!」だったというのは事実なんだよね?

要するに、配給会社にもともと「映画のテーマに沿って作られた、作品と一体化した楽曲であっても、外部状況に応じて容赦なくカットすることに抵抗なし」という姿勢があったということには、変わりないよね? だとしたら、同じようなことは、これからもどんどん起こってしまう可能性が大きいんじゃないだろうか?

今回、ネット上でたくさんの声が集まったのは、やっぱり「ジェイ・チョウとリー・リンチェイ(ジェット・リー)」という比較的メジャーな組み合わせだったからだと思うんだよね。2月にジェイの初来日コンサートがあったばかりで、そこでアルバム未収録の映画主題歌「霍元甲」が新曲として披露され、ファンの気持ちが盛り上がりまくっていたのも追い風になったはず。(参考:HMVオンラインショップ内の2006年2月6日付記事「ライヴ後ジェイ『霍元甲』に受注殺到!」

もっとマイナーな映画で、マイナーな歌手だったら、いくら少数のファンが頑張っても、配給会社に「世間で騒ぎが起こっている」と認識させてリアクション(たとえそれが「いろいろと憶測が飛び交って」というような表現であったとしても)を引き出すところまでは、いかなかったんじゃないだろうかと思えてならない。

一般の観客が動向をチェックしていちいち働きかけをしたりせずとも、「音楽だって、映画作品の一部なんだ!」、「音楽が変わってしまったら、映画作品そのものもある程度、変質してしまうんだ!」という認識が、今後の日本の映画業界のデフォルトになることを、強く強く、願っています。

Posted at 2006年3月31日 23:35

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» 映画「SPIRIT」主題歌差し替え関連記事 from SPIRITの魂はジェイ・チョウの霍元甲にある。
■4/4(火) オリジナル上映嘆願書の文書送付について。 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年4月 5日 02:58

コメント

こんにちは。
差し替え問題はまだ終わりません。ファーストランには間に合わなくても、イニシャルDのように半年後でもオリジナル版を上映する映画館が増えたように、霍元甲もオリジナル版を上映できるように活動を続けようとするグループが出来ました。
どうぞご期待下さい。

投稿者 shu : 2006年4月12日 00:35



shuさん、こんにちは。
ちょうど昨日発売だった国内盤「霍元甲」MVのDVDで、はじめて李連杰のハイテンションなコメントとMVの歌詞字幕付きバージョンを見たところです。やはりあの映画を日本で上映するなら、このJayの曲を訳詞字幕付きで……というのが一番ふさわしいなと再認識しました。そして可能であるならばそれを劇場で観る機会が提供されるのが理想ですよね。オリジナル版上映をめざす活動を続けてくださる方がいらっしゃるのは、ありがたいことだと思います。

投稿者 ならの : 2006年4月13日 10:38



こんにちは。まえにかかれていたスピリットの差し替えの件ですが、ネットを探していたら差し替えについてサイトを作っている方がいましたのでお知らせしますね。
http://spirit-jaychou.hp.infoseek.co.jp/
すごく映画についても、差し替えで問題になった曲についても詳しいので一度見てみてくださいね。私もこの話題にはまだ胸の中がすっきりしないので協力できたらとおもってかきましたが、ご迷惑でしたら失礼します。

投稿者 はてな : 2006年5月 6日 21:32



はてなさま、こんばんは。書き込みありがとうございます。

教えてくださったサイト、私も少し前に、以前からリンクさせていただいていた warner.sisters さまのブログからリンクをたどって拝見していたのですが、最近は自分のところの更新に手が回らず、紹介できずにいました。

関連情報を詳しくまとめてくださっていて、ありがたいですね。

この件については、胸の中がすっきりしない、まさに私も、そんな気持ちです。今回、こうやってネット上で話題にする人が多かったことで、『SPIRIT』のことだけに留まらず、海外の映画の日本国内でのプロモーションそのものに対して、配給側がもう少し考えてくれるきっかけになっていればよいのですが。

熱意をもって活動を続けてくださっている方々には、頭が下がる思いです。

投稿者 ならの : 2006年5月 7日 23:51





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