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2006年5月23日

青池保子『「エロイカより愛をこめて」の創りかた』

読了本 | 書籍・雑誌

マガジンハウス、2005年2月刊。【Amazon.co.jp】


すごい長寿漫画だということは知っていたけど、『エロイカより愛をこめて』の連載開始って、1976年だったのか。すごいなあ。

「エロイカ」シリーズは、中学生の頃、友達に借りて一部を読んでただけで、それほど詳しいわけでも思い入れがあるわけでもなかったのだけれど。それでも、洒落っ気を備えつつもスケールの大きい物語が面白かった、というくらいの記憶はあって。ええ、NATOとかKGBとかいう用語を最初に知ったのも、この漫画でだよ。ベルリンの壁が崩壊し冷戦終結が決定的になったときには、頭の片隅で「うわー、エーベルバッハ大佐、どうするんだろう?」って思ったさ。でも結局、どうなっていたのかは、チェックせずじまいだったのだ。

冷戦終結後のストーリーにはブレインとして軍事評論家が参加してるとか、昔は1970年代美形キャラの定番服である“ひらひらブラウス”などをお召しになっていた伯爵も最近はけっこうカジュアル路線のワードローブだとか(本書の口絵でも確認)、初めて知ったよー。長い連載だけど、時事性のあるネタを取り扱う作品だけに、時代の流れは反映されているのね。

製作過程に関するくだりでは、当たり前だけど、本当に綿密に取材しているのだな、と感心。連載中にも新しい取材内容がどんどん作品に反映されていくようすが克明に説明されており、そのときの仕事場の熱気が想像できて、わくわく。ネーム原稿と完成原稿を対比してくれているページも面白かったです。ネーム段階の簡略化された少佐の顔がかわいかった(笑)。

とにかく、これだけ長いあいだ、こういう複雑な要素のからむ作品を、エンターテインメントとして描きつづけられるって、ものすごいことなんだなと改めて思いました。

Posted at 2006年5月23日 16:26

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コメント

私もNATOとかKGBとかいう用語を最初に知ったのはこの漫画でだったな〜と思い出しました(^^) 今思うと当時の少女漫画らしくない画期的な漫画ですよね。

今でも特価品などを買う時には妹と「こっちの方が安いよ、ジェームス君」等という会話がなされます。
意外と影響うけていたのかも(笑)

投稿者 かえる : 2006年5月23日 19:56



かえるさんも、NATOとかをこれで知ったクチなのですね。当時はけっこうそういう女の子、多かったんじゃないかなあ。ほんと、少女漫画のイメージぶち破られました。

そしてジェームズ君……! あれも強烈なキャラでしたね。

>今でも特価品などを買う時には

あー、記憶によみがえってしまったので、今度わたしも言っちゃいそう(笑)。

投稿者 ならの : 2006年5月24日 19:03



こちらでは初めまして。
うちは新婚旅行の時、北回りでヨーロッパに行ったのですが、シベリアの上あたりでダンナと
「子熊のミーシャが流されたのはこの辺だ」
など、コソコソと怪しく会話していたのを思い出します。
ジェームズ君は、モデルのジミー・ペイジがケチだという話からああいうキャラになったのでしょうか。ボーナム君のモデルの方は亡くなってしまい、時の流れを感じます。

投稿者 まりさん : 2006年5月24日 22:52



私はこの漫画はあまり読んでなかったので
あらすじを忘れてしまいました。
友人宅でこんな↓ゲームが(笑)
http://www.geocities.jp/goalaskago/eropuyo/eropuyo.html

投稿者 碧 : 2006年5月25日 14:31



●まりさん
わーい、こちらにもようこそ。

>「子熊のミーシャが流されたのはこの辺だ」

そういう会話が成立する新婚旅行、いいですねえ。
私はああいうジャンルのスターのかたがたに詳しくないので、「エロイカ」のメインキャラたちの実在モデルとの対応関係も、この青池さんのエッセイを読んで初めて知りました。
やはりジミー・ペイジがケチって、常識だったんでしょうか(笑)。


●碧さん

あわわわ、タイトルだけ見たら、一瞬「なんのゲームだ?」っていう略しかたですねえ。
私だけ?(笑)

今でもこんなゲームを作っちゃうかたがいるくらいに愛されてるのですね>伯爵たち。

投稿者 ならの : 2006年5月25日 20:21





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