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2006年12月29日

2006年第2四半期に読んだもの

読了本 | 書籍・雑誌

2005年には毎月なんとか続いていた読了本のひとことコメント、今年はずーっとサボってしまってたのですが、読んだもののタイトルだけは一応、記録してあったので、年末企画として、おぼろげな記憶と中途半端なメモに頼ってちょっとだけ、なんか言ってみますよ。このエントリでは、今年4月から6月までの分。


【2006年4月に読んだ本】
●粉雪まみれ『チャイニーズ・シネマ・スター・オデッセイ 恋愛的中華電影明星誌』(集英社,2001年12月)
●高橋秀実『トラウマの国』(新潮社,2005年2月)〔感想〕
●小笠原祐子『OLたちの「レジスタンス」―サラリーマンとOLのパワーゲーム』(中公新書,1998年1月)
●桜庭一樹『荒野の恋 第一部 catch the tail』(エンターブレイン ファミ通文庫,2005年6月)〔感想〕
●桜庭一樹『荒野の恋 第二部 bump of love』(エンターブレイン ファミ通文庫,2006年2月)〔感想〕
●青池保子『「エロイカより愛をこめて」の創りかた』(マガジンハウス,2005年2月)〔感想〕
●米澤穂信『夏期限定トロピカルパフェ事件』(創元推理文庫,2006年4月)
●梨屋アリエ『でりばりぃAge』(講談社文庫,2006年4月/単行本1999年5月)
●Michelle M. Pillow "Seduction of the Phoenix" (New Concepts, 2006年3月)
●嶽本野ばら『ツインズ〜続・世界の終わりという名の雑貨店』(小学館,2001年12月)〔感想〕
●高橋秀実『センチメンタル・ダイエット』(アスペクト,2005年4月)
●高橋秀実『はい、泳げません』(新潮社,2005年6月)
●中村うさぎ『さびしいまる、くるしいまる。』(角川文庫,2006年2月/親本2002年)
●大森望・北上次郎『読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド』(ロッキング・オン,2005年3月)

『夏期限定トロピカルパフェ事件』は、前に読んだ『春期限定いちごタルト事件』の続編。自意識過剰な自分を否定したい主人公を一気に突き落としにかかってきたなー。ある意味、前作の雰囲気で予想していたものを大きく裏切ってくれました。表紙イラストのかわいらしさに騙されたよー。もう『秋期』を心待ちにせずにはいられません。

『でりばりぃAge』は、いろいろ考えてぐるぐるしちゃってる中2の女の子の夏休みのお話。夏のむわっとした暑さとか、わーっと日常を逸脱したくなる臨界点までの心の動きとかがリアルに感じられてよかった。この作者の別の本も読んでみたくなった。

"Seduction of the Phoenix" は、まあなんと言いますか。大人の女性向けロマンス小説。普段なら積極的には手に取らないタイプの本なのですが、表紙のイラスト……これ、どう見ても、とある実在の人をモデルにしてるよねえ?(汗)

Seduction of the Phoenix

おそらく中華っぽくかつきらびやかなコスチュームの資料を探したイラストレーターさんが、映画『LOVERS』の頃の金城くんのスチル写真にぶち当たってそれを参考にしたのだと思いますが、特定の俳優の顔までそのまま、かなりどぎつい描写まである小説のキャラクターとして無断で流用ってどうなのよ。失礼じゃない?

それとも実は、この手のペーパーバックのイラストなんて、今まで私が知らなかっただけで、けっこう実在のモデルさんや俳優さんをそのまま資料として使っちゃってるのが慣例で、あまりに馬鹿らしくて誰も訴えないってだけなのかしら? ここは、「わあっ、金城くんって、欧米の人の目から見ても、ロマンス小説の表紙になれるほどの美形なのね♪」と鷹揚に喜んでおくべきところなの?

……とかなんとか思いつつ、怖いもの見たさとトリビアなネタを押えてみたいファン心で、ついつい買って読んでしまいましたとさ。ヒーローは中国系王朝(が地球から遠く離れた惑星で復活しているという設定)の皇子さまで母語はどうやら北京語、ヒロインは白人で宇宙をまたにかけさまざまな惑星でお尋ね者になっている女盗賊、というスペオペもので、ロマンス小説としては異色設定なのかもしれません(ポピュラーな設定をはっきりとは知らないのでなんとも言えませんが)。やー、ツッコミどころ満載でしたよ。いくら表紙がコレでも、このストーリーで金城くんを想定するのは、ワタシ的には不可能だ!


【2006年4月に読んだ漫画】
●浦沢直樹『PLUTO』第3巻(小学館ビッグコミックス,2006年3月)
●よしながふみ『フラワー・オブ・ライフ』第4巻(新書館,2006年4月)
●今市子『百鬼夜行抄』第14巻(朝日ソノラマ 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス,2006年4月)
●今市子『文鳥様と私・愛蔵版』第1巻(あおばコミックス,2005年12月/親本2000〜2001年)

『PLUTO』、いまだに元ネタの手塚作品を読んでないので、これからどうなるんだかさっぱり分かりません。『フラワー・オブ・ライフ』では、女の子同士のお買い物エピソードが好きだったなー。


【2006年5月に読んだ本】
●梨屋アリエ『プラネタリウム』(講談社,2004年11月)
●酒井順子『わたしは美人』(朝日新聞社,2005年11月)
●麻野一哉・飯田和敏・米光一成『日本文学ふいんき語り』(双葉社,2005年12月)
●西澤保彦『黒の貴婦人』(幻冬舎文庫,2005年10月)

『プラネタリウム』は、とある街の中学生の少年少女たちを主役とした連作短編集。どの話にもプラネタリウムが登場するが、どの話でもそれが中心にはないのね。で、迷いが生じると踏み切りの音が発生してしまう女の子とか、恋する心で空を砕いてフレーク状にしてしまう女の子とか、羽根が生えちゃってる男の子とか、常に地面から15センチ身体が浮いてる先輩とか、みんなちょっとだけ(?)不思議なの。あまりにさりげなく当たり前の顔して不思議なので、現実にもこういう人たち、いても別におかしくないよなあ……とか、うっかり思ってしまいそう。

そしてタック&タカチのシリーズは全部読んでるつもりだったのに、コミックス版を買ったのがきっかけでいろいろ検索していたら、『黒の貴婦人』を読んでなかったことに遅ればせながら気付いて慌てて買いました!


【2006年5月に読んだ漫画】
●荒川弘『鋼の錬金術師』1〜13巻(スクウェア・エニックス,2002年〜2006年)
●Hiromu Arakawa "Fullmetal Archemist" (translation by Akira Watanabe) 1〜7巻(Viz Communications, 2005年〜2006年)
●大橋薫・西澤保彦『タック&タカチの事件簿 16秒間の密室』(秋田書店,2005年1月)
●大橋薫・西澤保彦『タック&タカチの事件簿 6つの箱の死体』(秋田書店,2006年4月)
●森薫『エマ』第7巻(エンターブレイン,2006年5月)

ゴールデンウィーク後半、風邪で寝込んでいるあいだに『鋼の錬金術師』をまとめ読み。ずっと前にアニメが放映されてたときは、まるっきりノーマークだったんですが、とっても面白いマンガだったのね。やはり、「主人公が自分の属する世界のしくみや構造そのものを見極めて読み解いていく」ような要素のある話にヨワいみたいです私は。

実は、去年から「英語の本が読めるようになりたい」と言い続けている同居人A氏が、長い小説は無理でもマンガなら大丈夫かも……と言って買ってきたので、初めて手にとったのは、英語版の "Fullmetal Alchemist"のほうでした。

この英訳が、本当にいい出来で、すっかり引き込まれた。夫は結局、英語版だけでストーリーを追うのは放棄して、あとから日本語版をまとめ買いしてきたのだけれど、その日本語版に目を通してから改めて読み直しても、やっぱり非常にいい。まあ、この作品の舞台自体が、英語にしても違和感のない世界だというのはありますが、それにしても素晴らしい。思わず発売されたばかりの英語バージョン第7巻を、自腹で購入してしまいましたよ。

検索していて知ったのですが、Vizって、日本のマンガの翻訳を出してるアメリカの出版社のなかでは、ひときわクオリティが高いと評判のところだったのですねー。道理で。

大橋薫さんが漫画化した「タック&タカチの事件簿」シリーズは、本当にタックとタカチがメインでした。そして、タカチがなんだかすごい少女漫画キャラでした。大好きなボアン先輩が完全に脇役だったけど、あとがきで大橋さんが「いい男だと思う」とコメントしてくれてたので許す(って何さまのつもり?>私)。


【2006年6月に読んだ本】
●大野左紀子『モテと純愛は両立するか?』(夏目書房,2006年5月)
●山尾美香『きょうも料理―お料理番組と主婦 葛藤の歴史』(原書房,2004年4月)

『モテと純愛……』は、「冬のソナタ」とか「電車男」とかを取り上げた評論集。読むと著者の非常な真面目さが伝わってくるる本なので、流行に乗っかっろうとしていることが見え見えのキーワードを取り入れたタイトル(編集者がつけたらしい)でちょっぴり損しているかんじ。でもこのタイトルに目を引かれて手に取る人もいるのかなあ? 私は、この人がウェブで書いてるものが面白かったので読んでみた。

そもそも私は常日頃から、「電車男」が世間で“純愛”扱いされているのを見て、「あんな、もともと漠然と『かわいい彼女が欲しいなあ』と思っていたっぽい男の子が、たまたま優しくしてくれる女の子(こっちももともと『思い通りになってくれそうな彼氏が欲しいなあ』とか思ってたっぽい)に出会ったので頑張ってチャンスを逃さず努力の末なんとかおめでたくカップル成立しました――みたいな話は、純愛とは言わぬ!」と憤っておりましたのです(←なにも怒ることないんだがな。余計なお世話だよ)。

なんていうか、相手に出会う前の段階ですでに「“誰か”と恋愛がしたい」と思っていたら、その時点でもう「不純」なような気がするのですよ。理想を言えば、もっと思いがけなく、本人の意に反して突き落とされるようなものであってほしかったのですよ、物語として語られる純愛は。

だから、この著者の人が「純愛は任侠である」とし、「社会の円滑な秩序維持や発展には、何の役にも立たない。普通の社会人として生きるのに、何の必要もない。むしろ邪魔。」なんだけど、否応なく暴力的に引きずり込まれてしまうものとして“純愛”を位置付けていく感覚に、個人的に寄り添いやすかったというのはあるかも。なかなか興味深く読みました。


【2006年6月に読んだ漫画】
●二ノ宮智子『のだめカンタービレ』第15巻(講談社,2006年6月)
●高津カリノ『WORKING!!』第2巻(スクウェア・エニックス,2006年6月)

とにかく、最近の巻はひたすら「黒木くんがんばれ」と思って読んでいます>のだめ。

Posted at 2006年12月29日 20:01



All texts written by NARANO, Naomi. HOME