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2006年12月30日

2006年第4四半期に読んだもの

読了本 | 書籍・雑誌

2005年には毎月なんとか続いていた読了本のひとことコメント、今年はずーっとサボってしまってたのですが、読んだもののタイトルだけは一応、記録してあったので、年末企画として、おぼろげな記憶と中途半端なメモに頼ってちょっとだけ、なんか言ってみますよ。最後に、今年10月から12月までの分。


【2006年10月に読んだ本】
●大森望・豊崎由美『文学賞メッタ斬り! リターンズ』(PARCO出版,2006年8月)
●シャンナ・スウェンドソン『ニューヨークの魔法使い』(訳:今泉敦子/創元推理文庫,2006年7月)
●斎藤美奈子『冠婚葬祭のひみつ』(岩波新書,2006年5月)
●Shanna Swendson "Once Upon Stilettos" (Ballantine Books, 2006)

『文学賞メッタ斬り! リターンズ』は、大層楽しかったし、納得できる発言もたくさんあったのですが、その一方で、大森さんや豊崎さん、ゲストとして鼎談に参加したりしている島田雅彦さんのような人々が要求している水準の「文学」って、脳味噌の読書筋肉(?)が訓練されてて基礎体力が底上げされてて余力が残っている人しか読めないような気がするよなあ、この人たちにツッコミ受けまくりのようなもののほうが売れ行きがいいのって、当然かも……私も含めて一般人は日常生活で疲弊しちゃって脳味噌がヘロヘロでスカスカな人がいっぱいだもの……みたいなことも思ったり。

そして、なーんも考えずにさらっと読めてすかっとストレス解消な、若い女の子向けのほどよくぬるい予定調和なロマンスと魔法使いもののごった煮 "Once Upon Stilettos" は、『ニューヨークの魔法使い』の続編。つまり、続きの邦訳を待ちきれないくらいに、『ニューヨークの魔法使い』がツボだったということです。続編のほうが恋愛色が強いかな? こっちも面白かった。


【2006年10月に読んだ漫画】
●阿部川キネコ『ミス&ミセス』(双葉社,2006年8月)
●安野モヨコ『働きマン』第3巻(講談社,2006年10月)
●二ノ宮智子『のだめカンタービレ』第16巻(講談社,2006年10月)
●岩崎つばさ・カワイシンゴ『サーティガール』第1巻(白泉社JET COMICS,2005年7月)
●岩崎つばさ・カワイシンゴ『サーティガール』第2巻(白泉社JET COMICS,2005年7月)
●岩崎つばさ・カワイシンゴ『サーティガール』第3巻(白泉社JET COMICS,2006年3月)
●Hiromu Arakawa "Fullmetal Alchemist" (translation by Akira Watanabe) 9巻(Viz Communications, 2006年9月)
●獸木野生『PALM 29 午前の光 3』(新書館ウィングス・コミックス,2006年10月)

『ミス&ミセス』は、子育て中の専業主婦ミコと、独身一人暮らしでフリーのイラストレーターをやってるキコという2人の30代の元同級生同士の日常を描いた4コマ漫画。お互いまったく生活は違ってしまっているけれど、お互い卑屈になることも変に線引きすることもなく、余計な口出しもせず、でも助け合えるところは助け合って(毒のある言葉も含めて)言いたいことは言い合って、ほどよい距離で学生時代と変わらぬ友情が続いているのが、ほっとするかんじ。

PALMシリーズの『午前の光』、たった3巻で完結するとは予想外(その前のエピソードが長かったから)。どんどんジェームスの背負うものが大きくなっていくようで……。


【2006年11月に読んだ本】
●リリー・フランキー『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(扶桑社,2005年6月)
●みうらじゅん『いやげ物』(筑摩文庫,2005年7月)〔親本:メディアファクトリー,1998年4月〕
●横田増生『潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影』(情報センター出版局,2005年4月)
●内田響子『聖者の異端書』(中央公論社C★NOVELS,2005年7月)
●高楼方子『十一月の扉』(新潮文庫,2006年11月)〔親本:リブリオ出版,1999年9月〕
●香山リカ『14歳の心理学』(中経文庫,2006年9月)

すみません、あの大ベストセラー、ネット上では検索しても検索しても「感動しました」、「親孝行がしたくなりました」と好意的な感想ばかりがヒットするリリー・フランキーの『東京タワー』で、ものすごいどんよりした暗い気分になりました。まあそういう心の清らかでない可哀相な読者もいるということで、ひとつご容赦を。詳細な感想は、気が向いたらそのうち。

著者がアルバイト要員としてアマゾンの配送センターで働いてみた経験をまとめた『潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影』を読んでから、アマゾンで注文するとき、分刻みでノルマを課せられて黙々と働くアルバイトの人たちがわさわさいる倉庫が脳裏に浮かぶようになってしまった……。人員使い捨てに近い労働現場の描写がある一方で、いかにアマゾンがユーザー側から見て魅力的なシステムを作り上げているかというあたりもしっかり分析されていて、複雑な読後感。

『聖者の異端書』は、ヨーロッパ中世っぽい世界を舞台としたファンタジー。図書館本だったのですが、とても気に入って、あとで自宅保管用に買いました。ただ、実際にヒロインと同じ10代半ばの頃、「今後キリスト教信者として生きていくかどうか」みたいなことをやたら考えていた私にとっては、面白いというか身につまされまくりのネタ(?)があったものの、そうじゃない人がどのようにこういう部分を読んだのかが謎。

まあそういうところを脇に置いて、この妙にテンション低く理屈っぽいわりに真摯で行動力のあるヒロインのキャラだけでも、かなりツボ。名前のない主人公の、周囲の人や事象に対する姿勢とか、社会の中での自分の位置にすごく自覚的で分析的なところとか、印象的でした。あんまり、この手のお話のお姫さまにはないタイプで。


【2006年11月に読んだ漫画】
●めるへんめーかー『星降る森のリトル魔女』1〜4巻(朝日ソノラマ文庫,2006年7〜10月)
●今市子『B級グルメ倶楽部』第2巻(フロンティアワークス,2006年10月)
●荒川弘『鋼の錬金術師』第15巻(スクウェア・エニックス,2006年11月)

文庫になった『星降る森のリトル魔女』は、最初むかしの単行本未収録分と巻末解説(めるへんめーかーさんのアシスタントをしておられた妹尾ゆふ子さんがお描きになった「偽Tea Time」!)を目当てに最終巻だけを買うつもりだったのですが、本棚に並べたときに落ち着かないので結局全4冊買いました。 めるへんめーかーさんが、もう一生分のお話を描いてしまったように思う、みたいなことを妹尾さんにおっしゃった、というくだりを拝読して、ちょっとしみじみ。でも本当にあの頃、次々と繰り出されるお話をとっても楽しく読ませていただいてました。


【2006年12月に読んだ本】
●酒井順子『ひとくちの甘能』(角川書店,2006年4月)
●松本晃一『アマゾンの秘密──世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか』(ダイヤモンド社,2005年1月)
●香山リカ『老後がこわい』(講談社現代新書,2006年7月)
●田中亜紀子『39.9歳お気楽シングル終焉記』(WAVE出版,2006年9月)
●妹尾ゆふ子『パレドゥレーヌ〜薔薇の守護〜』(コナミデジタルエンタテインメント,2006年12月)

先月読んだ『潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影』は、配送センターでハードな機械的作業を黙々とこなすアルバイターたちの側から見たアマゾンの話でしたが、今月読んだ『アマゾンの秘密』は、日本アマゾンのシステム立ち上げ段階から関与してきた人の目から見たアマゾン内部。ある一つのオンライン・ストアが、こういった頭脳集団に支えられているということも、ああいった使い捨てのような扱いを受けている作業員たちによって支えられているということも、同時に真実なのだよなあ、きっと。

個人的には、開店を間近に控えてXMLで書かれた文書のサイト上でのプレビュー機能が故障したとき、2時間ごとにあの巨大なサイト全体をリビルドして表示確認していた、というエピソードが好きでした(いや、好きとか嫌いとかいう問題じゃないんですが)。豪快だねえ。なんつーか、水鉄砲がないので消防車を呼んできました、みたいな?(ちょっと違うか。)

『パレドゥレーヌ〜薔薇の守護〜』は、女の子向けゲームのノベライズ。でも、ゲーム内での時間より少し前の物語みたいです。おかげで、ゲーム世界の大前提となる設定はなんとなく理解できたような。とにかく、王位継承に横槍を入れられた女王候補として国を切り盛りするのですよね? ゲーム内のストーリーでは参謀役を果たしてくれそうな頭脳派の眼鏡の人が好きなタイプのキャラだなあ、と思いました。でもこの小説にかぎって言えば、男性キャラの中では眼鏡の人に一番シンクロしやすいお話になっていると思うので、そのせいかも。つーか、私が理屈っぽく葛藤する人が好きなだけかも。


【2006年12月に読んだ漫画】
●よしながふみ『大奥』第2巻(白泉社,2006年11月)
●野間美由紀『パズルゲーム☆はいすくーる』〔文庫版〕第14巻(白泉社,2006年11月)
●大和田秀樹『機動戦士ガンダムさん つぎの巻』(角川コミックス・エース,2006年12月)

『大奥』、これからどっちに話が進んでいくんだか、検討もつきません。続きも買ってしまうんだろうな。


それでもって、今の時点でまだ今月は1日残っていますが、すでに年末のドタバタ状態に突入していて、明日も本読んでる余裕はないと思うので、「今年読んだ本」はここまでとします。

Posted at 2006年12月30日 17:27



All texts written by NARANO, Naomi. HOME