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2007年7月27日

平安寿子『あなたがパラダイス』

読了本 | 書籍・雑誌

あなたがパラダイス

朝日新聞社(2007年2月)【Amazon.co.jp】

更年期を迎えて心や体の異変を経験し始めたばかりの3人の女性を主人公とした連作短編集。私はまだ更年期は経験していないのですが、あまり世間に具体的なことが知られていないわりに、実は大変なものなのですね。多少は心構えができたという面でも、ありがたい本でした。

主人公たちには、直接の目に見える接点はありません。ただ、3人ともが、50代後半になってもいまだ現役で活動を続ける沢田研二(ジュリー)の歌にパワーをもらっているというのが共通点。40年来のファンから、少女時代には好きだったけどずっと忘れていて数十年ぶりにあの頃の気持ちを思い出した人、更年期を迎えてから初めてジュリーを意識した人まで、ハマリ度はそれぞれ違うんだけど。

私は、習慣的に日本のテレビ番組を見ていたのが、1981年から1986年くらいまでの期間だけなので(その前は親の意向に従順だったのであんまり見てなかったし、その後はシュミの時間を優先させるために自主的に見なくなった)、メディア露出よりもライブ活動を優先させている現在の沢田さんのみならず、本書の中で説明される若い頃の沢田さんもよく知らないのですよ。でも、登場人物たちの視点から綴られる熱い“ジュリー語り”を読んで、とても楽しく幸せな気持ちになりました。そうそう、そういう日常から逸脱したときめきがあるのって、いいもんだよねっ!(笑)

彼女たちは、それぞれ現実ではシビアな状況(介護問題など)に置かれていたりするんだけど、これがあるから、読後感は明るく前向き。

ところで、沢田研二さんって、JASRACには加盟してないの? 歌詞引用されまくりなんだけど、巻末にはカバー曲 "SOMEONE TO WATCH OVER ME" の分の記載しかなかったのが、ちょっと不思議だった。自主レーベルなんですね。

Posted at 2007年7月27日 19:47



All texts written by NARANO, Naomi. HOME