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2007年7月29日

ハリー・ポッター完結

書籍・雑誌

Harry Potter and the Deathly Hallows

今、月末に向けていつもの読了本リストをチェック中なのですが、そういえば先週末に、21日発売だったシリーズ7冊目にして最終巻の "Harry Potter and the Deathly Hallows" (Bloomsbury, 2007年7月)【Amazon.co.jp】を読んだのでした。

第1巻からの伏線の回収(「ここに来て、このネタが再浮上か!」などなどと、何度、身もだえしたことか)、最後に向かっての盛り上がり、そして収束を堪能させていただきました。

なんだかんだ言っても、すごいよなあ。最初から最後までたたみかけるような(容赦のない)展開で、ついつい、「次はどうなるの?」とページをめくってしまう。

で、以下は特にこの巻についての感想ってわけでもないんだけど。

このシリーズ、大好きだったけど、好きだったのは、複雑な謎が解けていく面白さとか、自分たちが生活している現実社会で起こっている問題のアナロジーとして考えられてしまうような皮肉なストーリー展開とか、追い詰められた主人公の感情がリアルに迫ってくるところとか、脇役たちにも脇役たちの、立場があることがちゃんと描かれているところとかで。

あと、一貫してハリー視点で物語が進むわけだけど、ハリーの成長にともなって、徐々に周囲への洞察が深くなっていくところとかもね。

最初の頃のハリー視点で描かれたことが、あとになって別の局面を見せたとしても、その局面もちゃんとさりげなく、実は最初から作者の手によって描かれていて、ただ当時の幼いハリーの目には、表面的なことしか見えてなかっただけ、みたいなところ。なにかちょっと、あとにならないと大切なことに気付かない自分の未熟さへのもどかしさ、みたいなのが身につまされるというかね(笑)。そして同時に、すぐそばでハリーの成長を見守っているようなかんじもあったりね。

要するに、「ハリー・ポッター」シリーズの面白さって、普段の私が「ファンタジー小説」に求めているような面白さとは、ちょっと違うんだよなあ。「ファンタジー」として読むには……なんていうんだろう、“深層意識をえぐるようなもの”がない。

よくも悪くも、あまりにも、ある意味、現実に近すぎるというか。別世界ファンタジーじゃないから、という意味でなく。

ここで描かれる喜びや痛みが、現実世界で遭遇しがちな喜びや痛みに、酷似しすぎているというか。だからこそ、強く惹かれていることもたしかなのだけれど。

でも私の勝手な「ファンタジー定義」に含めるには、現実世界に対するアナロジー臭が強すぎる、というか。「マジック」が、物語を彩り、進めるためのガジェットにしか感じられないというか。

ただ、たとえガジェットであったとしても、ものすごくよくできたガジェットでは、あるのだ。ちゃんと筋の通った法則が確立されていて、それによる制約を受けている。


まあでもとにかく。主人公をはじめとした登場人物たちに、本当の知り合いのような親近感を抱きながら、最初は11歳だったハリーと共に、ついにここまで来ました。

終わっちゃったんだなー(しみじみ)。

Posted at 2007年7月29日 17:44

コメント

ならのさん、お久しぶりです。
うちにも今日か明日、最終巻が届きます。
といっても、6巻をまだ読んでいないのですが。6巻の第一章で躓いてしまって、そのままになっているうちに最終巻が出てしまいました。
で、友人に日本語訳を借りたんですが、やはり最初の賞でつまづいています。
ハリーの成長と共に内容も難しくなっているんですよね、読めるかな最終巻。

投稿者 umeko : 2007年7月30日 17:38



最初の章、変換間違い訂正いたします。

投稿者 umeko : 2007年7月30日 17:41



わーい、お久しぶりです。
umekoさんも、このシリーズお読みでいらしたのですね。

だんだんややこしい話になるのに加えて、だんだんハリーたちも追い詰められてきちゃって、ダークな話になるんですよね。読んでてつらいシーンがいろいろ。

6巻の最初の章は、いままでとちょっとパターンが違うので、面食らっちゃいますよね。

しかし、とうとう最終巻。今になって、もっとゆっくり読んでもよかったかなあ、と思っています(笑)。

投稿者 ならの(管理人) : 2007年7月30日 22:16



おはようございます^^
昨晩、私にとって問題の6巻1章をなんとか突破し(大した長さじゃないのに、しかも日本語)やっと物語に入り込めて来ました。
そうですよねー7巻で完結なんですよねー。なにも焦って読む必要、ないんですよね。
6巻もおもしろくなったので、ここらで原文に乗り換えて、ゆっくり読もうかなー。

追伸:光良熱は冷めずに、今も毎日聞いてます。日本盤ベストアルバムも買いました。そうしたら私の好きな曲の歌詞の意味がほとんどわかってしまったので、中国語の勉強する意欲が急に下がってしまいました、はは。

投稿者 asako : 2007年7月31日 06:09



こんばんは。
(同じ投稿文がダブって入っていたので、1つ削除させていただきました。)

6巻1章、突破おめでとうございます♪
お馴染みキャラが活躍しはじめると、面白くなってきますよね。

私も結局、6巻の日本語版は最後まで読んでないです(夫が和訳版で読んでるので、うちにはあるんですが)。造語が盛りだくさんな世界だけに、先に英語で馴染んでしまうと、かえって日本語で読むほうがしんどいというか。

光良熱は、冷めませんねえ(笑)。そしてやはり中国語の勉強は挫折中(私の場合は、もとからですけど)。

投稿者 ならの(管理人) : 2007年8月 1日 21:40





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