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2007年7月29日

伊坂幸太郎『死神の精度』

読了本 | 書籍・雑誌

死神の精度

文藝春秋(2005年6月)【Amazon.co.jp】

金城武くんが、小西真奈美さんと一緒にこれの映画版に出演するというので、読んでみました。伊坂幸太郎を手に取ったのは初めてです。ネット上で書評を見ていると、けっこう評判いいので、ちょっと気になってはいたのですが、この映画化のニュースがなければ、まだまだ手に取るところまでは行ってなかったと思います。ありがとう金城くん!

死亡者の候補に挙げられた人間に接触して1週間、人となりを観察し、死亡「可」または「見送り」の判断を下すのが仕事の《死神》を語り手とした、連作短編集。

死神さんは毎回、ターゲットに近づきやすい人間の姿を与えられて派遣されるのだけれど、人間界の常識が微妙に分かっていないので、ときどき言動がズレてしまうのが、なんとなくすっとぼけた味わいでおかしい。

淡々とクールに、共感もなく人の死の判定をくだすはずの、人間とは別種の存在なのに、どこか普通の人間キャラよりも体温が感じられるようにさえ思える、不思議な存在感。映画でメインに使われるのは、(小西さんが「OL」の役ということなので)最初のお話なのかな? これのみ、死神さんはカッコいい外見になっているという設定だし(笑)。あああ、これ金城くんがやってくれるなら、激しく激しく観たいぞ! 楽しみだ!

最終話「死神対老婆」では、それまでのエピソードの積み重ねが効いていて、ハッと思うくだりがいくつか。

ところで、すでに感想文を書いた『あなたがパラダイス』(平安寿子)の第1話では、主人公の図書館員が、映画『ベルリン・ドイツの詩』において地上に降りた天使が図書館を休息所としているシーンを思い起こしているのだけれど。

これのすぐあとから読み始めた本書『死神の精度』の第1話では、CDショップを仕事の合間の休憩場所としている死神が、作品タイトルこそ出ないものの、映画で天使たちを見て「なるほど、彼らは図書館なのか」と思った――というくだりが。そういう、意味のない偶然は、ちょっと楽しい。

Posted at 2007年7月29日 17:49



All texts written by NARANO, Naomi. HOME