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2008年1月31日

2008年1月に読んだものメモ

読了本 | 書籍・雑誌

なんとなく、「暮らし」や「ライフスタイル」について書いた本を芋づる式に何冊も読んでしまった今月。時間に追われまくりの毎日から解放されてちょっぴり余裕が出てきてみると、今までずっと、「日々の生活」に関しては、ものすごい行き当たりばったりだったよなあ、と思えてきて。しかしどうやら、どんな生活を目指すのであろうと、違和感の正体を突き止めて快適さを勝ち取るには、こまごまとした各要素について、とにかく意識的になるしかないようだ……と、まずは当たり前の結論。



北村想『怪人二十面相・伝』(新潮社,1989年2月)
北村想『怪人二十面相・伝 青銅の魔人』(新潮社,1991年1月)
 江戸川乱歩の有名シリーズを、怪人二十面相の側から描く。これの映画版に金城武が出るというので読んでみました。ネタばれ許容ラインの判断が難しかったのであんまり詳しく書いてないけど、読了時の感想はここ。現在、入手可能なのは『完全版 怪人二十面相・伝』(出版芸術社)【Amazon.co.jp】


Robert J. Sawyer "Mindscan" (Tor, 2005年)
 人間の意識をスキャン(コピー)して、機械の身体にアップロードすれば、不老不死? 久々にソウヤー読みました。やっぱりソウヤーっぽい作品でした。詳しい感想文もあります。【Amazon.co.jp】


横森理香『横森式シンプル・シック』(文春文庫,PLUS2002年4月)
 ずいぶん前に当ブログのコメント欄(確認したら2004年の夏でした)でおすすめいただいて購入したあと、本がどこかに紛れてしまって、ずっと読みそびれていたもの(すみません!)。
 どう工夫しても納得行く暮らしができなかった古い一軒家を手放し、都心の中古マンションを購入してリフォームすることにした著者が、どのように持ち物を整理し、さまざまなこだわりを実現させて、旦那さまと一緒にシンプルかつお洒落な住居と無駄のない充実した生活を手に入れたか、みたいな感じ。
 とにかく、徹底的に、自分にとって心地よい暮らしをめざして邁進していく過程が事細かに語られていました。自分とは考え方や感覚が違うなあ、という部分もいろいろありましたが、「違うなあ」と思うことで、改めて自分の感覚の再確認になりました。
 適当にありあわせで済ませたり、ほんとは要らないものを惰性で所有しつづけたりといったことをせず、とことん自覚的にモノやスタイルを選んでいくという姿勢は、ご立派。ここまでスタイリッシュを追求してたら、私の場合は疲れちゃうかなあ、個人的には、適度に統一感に欠けてて、適度に生活感のある暮らしにも愛着を感じるなあ、という気もするけど、あまりにも安きに流れそうになったときには、「ああいう方もいらっしゃるのだから」と、ちらっと思い出して自分を戒めてみるのも、悪くないかも。【Amazon.co.jp】


お勝手探検隊(編)『ずらり 料理上手の台所』(マガジンハウス,2007年9月)
 雑誌『クウネル』Vol. 25の特集記事に加筆・訂正を加え、取材記事を追加。料理研究家やフードコーディネーターのほか、生活のお手本的なポジションでよく雑誌に出ているような人たちが登場。台所って、本当にさまざまで面白い。さすがに皆さん、道具類や食器の所持数も多くて、それらをシステマティックに整理している方法もいろいろ。
 写真を見ていると、やはり台所はつるぴかでよそよそしいよりも、清潔だけど古びてあちこち傷つくほど使いこまれて生活感があるっていうほうが、断然かっこいいと思いました。ただ、長年使っているものは、どの人も惰性ではなくちゃんと理由があって使い続けているんですよね。
 うちはなー、実母のお古を、一人暮らし始めるときも結婚するときもなんとなくそのまま持ってきて……というような、惰性で使い続けているもの(買ってから30年は経っているに違いない)が、結婚10年弱にして、まだあれこれ残っているんですが、どれが手に馴染んで気に入ってるから使ってるもので、どれが新しいものを選ぶのがめんどくさいから使っているものなのか、一度じっくり検討してみたくなってきました。【Amazon.co.jp】


平野恵理子『やっぱりお家がいちばん』(ヴィレッジブックス+,2006年3月)
 これも、出てすぐの頃に買ったまま、放置してしまってました。親本は『ごきげん! ひとり暮らしの本』(講談社,2001年4月)。元のタイトルが示すとおり、イラストレーターでエッセイストの著者が、一人暮らしを楽しんでいるようすが、とても鮮明に浮かびます。家具や雑貨も、本来の用途と違う使い方をしてみたり、自力で改造してみたり。自分が一人暮らしを始めたときの、「なにもかも自分で決めていいんだ!」という、わくわく感を思い出しながら読みました。家族と暮らして、自分の好みと違うものと折り合いをつけながら共存していくのも、それはそれでスリリングで面白いものですけれど、一人暮らし時代も、なかなか楽しかったよなあ。【Amazon.co.jp】


吉野万理子『乙女部部長』(メディアファクトリー,2007年11月)
 32歳彼氏ナシ、でもいつか運命の人との出会いを信じてるから合コンなんてもってのほか。そんな主人公、小夏が、彼女の行く末を心配する現実主義の親友とのメールのやりとりのなかで、その乙女チックぶりを揶揄され「独りで一生、乙女部部長やってなよ」と言われたこときっかけに結成された「乙女部」。メンバーは4人、なぜかそのうち1人は男子。
 結局、要するに「運命」という単語をどう捉えるかって話なんだよなー(って大きくまとめすぎ)。個人的には、乙女部の黒一点、神無月くんがツボなんですけど。Afternoon Teaのティールームを待ち合わせ場所に指定されて、女性客ばっかりのなかで相手を待ちながら、スイートフルーツティーなんてものを注文して一人でゆったりくつろげる、控え目で物静で神経細やかな男子。いいじゃん、いいじゃん! 私が小夏だったら、このようすを見た瞬間に、神無月くんに運命感じてしまうかも! 幸せの青い鳥は身近なところに!(安直?)実際のストーリーでは、すっかりお互い「圏外」ポジションになっていて、わたくしは大変、寂しゅうございました(笑)。【Amazon.co.jp】


よしながふみ『あのひととここだけのおしゃべり』(太田出版,2007年10月)
 漫画家よしながふみさんの対談集。すごく刺激的でした。読了時の感想文はこちら【Amazon.co.jp】


三浦しをん『乙女なげやり』(太田出版,2004年7月)
 三浦しをんのウェブ連載エッセイ(現在は更新停止中)のシリーズは、ウェブでもずっと読んでいたうえ、出版社が統一されてなかったりタイトルだけでは同一シリーズと分かりにくかったりするので、もうどれが既読でどれが未読なのか、自分の記憶をたどってもさっぱり。これは、書きおろしの「なげやり人生相談」ページに見覚えがなかったので、初読かなあ。
 どんどん転がっていく妄想炸裂系のネタも楽しいのですが、実は私は、この人の家族ネタが大好きです。大勢の人が読むものに、こういうふうに思いっきり面白可笑しく書いても大丈夫なだけの信頼関係があるんだなあって、スピーディな罵倒の言葉を読んでいても、ほんわかします。【Amazon.co.jp】


堀井和子『「お買いもの」のいいわけ』(幻冬舎,2002年10月)
 自分の価値観で選んだ、お買いものの数々。別途感想文を書きました。【Amazon.co.jp】


永江朗『暮らしの雑記帖 狭くて楽しい家の中』(ポプラ社,2007年10月)
 こまごまとした「暮らし」のなかのあれこれについて語るような本って、ほとんどが女性によって書かれているような気がしていたので、なかなか新鮮でした。偏見かもしれないけど、やっぱりちょっと、女性が書く「暮らし」本の多くに比べると、どこか「趣味っぽい」雰囲気が漂います。カッコつけず、でも自分の感覚に正直に、こだわるところはこだわっている感じが、心地よかった。【Amazon.co.jp】


岡田斗司夫『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書,2007年8月)
 1年で50キロの減量に成功した著者が、なぜ痩せるとお得なのか、どういう仕組みで太っていたのか、そしてどうやって痩せたのか……などなどを大公開。別途、感想文を書いています。【Amazon.co.jp】


辛酸なめ子『癒しのチャペル』(ちくま文庫,2008年1月/親本は白夜書房,2003年9月)
 一部を除き、初出は雑誌『BUBKA』だそうです。この人の本を1冊まるまる読むのは初めてでしたが、なんと言いますか……怖いもんナシですな。ほかの本もこういう感じなんでしょうか。癒しとかスピリチュアルとかセレブとか、どっか胡散臭いんだけど、うかつにツッコミを入れたら大変なことになりそうなネタでも、絶妙に自虐を絡めてそれが許されるポジションに自分を位置づけつつ、毒を含んだ丁寧文で、がんがん俎上にのせていく。【Amazon.co.jp】


松谷みよ子『自伝 じょうちゃん』(朝日新聞社,2007年11月)
 著名な児童文学者の自伝。別途、感想文を書きました。【Amazon.co.jp】


菅野彰(文)+立花実枝子(絵)『あなたの町の生きてるか死んでるかわからない店探訪します』(新書館,2007年1月)
 初出は『季刊ウンポコ』Vol.1(2005年3月)〜Vol.6(2006年6月)。著者のおふたりが、生きてるか死んでるかわからない、つまり「ほんとに営業してんのか?」と入ることをためらうようなお店を見つけて、果敢に突撃。「生きてる(外観とは裏腹に、お料理が美味しい)」お店もあれば、「死んでる(命の危険を感じるレベルで酷い)」お店もあり。「死んでる」お店って……な、なんでその状態で営業できてるんだ? 巻末に、ヤバそうなお店情報を募集するページがあったので、この企画、さらに続刊が予定されているのでしょうけれど……菅野さんと立花さん(そして、ときおり参加する周囲の皆さん)のご健康をお祈りせずにはいられません。身体張ってるなあ。【Amazon.co.jp】


読了した漫画は、2冊。


西原理恵子『できるかなクアトロ』(扶桑社,2007年4月)
 ヒジュラ取材とか砂漠で恐竜発掘とか。西原さんの漫画は、最後まで読み通した時点で、いつもぐったり疲れてしまいます。手に取ったときの、本の薄さに油断して軽い気持ちで読み始めると、実はものすごく中身が濃いのです。ていうわけで、これもすごく体力を消耗しました。ほかの人の作品だったら居たたまれない気持ちで目をそむけてしまいそうな表現でも、西原さんだと大丈夫なのは、西原さんが、たとえ盛大に罵倒している相手に対してであっても、どこか親愛の情を込めて描いているように思えるせいかなあ。【Amazon.co.jp】

グレゴリ青山『ナマの京都』(メディアファクトリー,2004年7月)
 京都出身の漫画家であるグレゴリ青山さんによる、ディープな京都案内。長い感想文もあります。【Amazon.co.jp】

Posted at 2008年1月31日 22:46



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