« ジミー(幾米)『幸せの翼』 | 最近 | 2008年2月に読んだものメモ(後) »

2008年2月28日

2008年2月に読んだものメモ(前)

読了本 | 書籍・雑誌

おっと、うるう年であるとはいえ、やはり2月は、ほかの月より早くに終わってしまうのですね(と、当たり前のことに今頃気づく)。とりあえず、今月読んだ本のメモを、途中まで。つづきは、29日付けの記事で出します(実際に29日中に書けるかどうかはともかく)。



山本文緒『再婚日記』(角川書店,2007年5月)
 初出は『野生時代』2003年12月号〜2004年4月号および2006年8〜11月号、そして2007年1〜2月号。
 去年、藤田香織さんや桜庭一樹さんの“日記本”を読んで、プロの文筆家の人が淡々とその日のことを綴った日記ってのも、書籍としてまとめて読んでみると面白いものだなあ、と目覚めてしまい、もっとほかに何かないかな? と見まわしてて目に留まったのが、これ。そういえば、何年か前に再婚なさったって、どっかで話題になってたっけ。
 ――と、そんな感じでまったく予備知識なしに手に取ったので、タイトルからのイメージとは少し違って、途中からどんどん「うつ病との闘い」記録になってゆくことも、さらには途中でぷつりと切れて連載再開までに2年のブランクが空いてしまうことも、まったく予想外でした。入院までなさっていたのですね。
 何も書けなくなる直前の2004年の日記と、落ち着いてからの2006年の日記では、かなり文章のトーンも山本さんの生活も変化していて、やはり健康的な規則正しい生活って、馬鹿にしちゃいかんのだなあって思いました。【Amazon.co.jp】


土屋敦『なんたって豚の角煮』(だいわ文庫,2007年11月)
 とにかく丸ごと1冊、豚の角煮を語った本。27種のレシピ付き。都会から佐渡島に移住しての暮らしぶりについての記述も、面白く読みました。詳しい感想文はこちら【Amazon.co.jp】


ジミー(幾米)『幸せの翼』(訳:岸田登美子/小学館,2004年11月/原書『幸運兒(Mr. Wing)』2003年)
 2005年に台湾で上演されたミュージカル版のCDを買ったので、ついでに原作の邦訳版も読んでみました。美しいけど怖い話。詳しい感想は、こちら【Amazon.co.jp】


ジミー(幾米)『ほほえむ魚』(訳:有澤晶子/早川書房,2002年6月/原書『微笑的魚 (The Smiling Fish)』1998年)
 上述のミュージカルには、こちらのお話の要素も入っていたと、実際に舞台をご覧になった方に教えていただいたので。私がイメージしていた幾米とは、絵柄がちょっと違う? と思ったら、これは幾米が絵本作家として最初に発表した作品のうちの1つであるようです。なるほど。最近の作品よりも、描線がシンプルで、色の塗り方が淡く筆の跡がはっきり分かる感じ。そしてやはり、ほのぼのしつつもシュールなお話でした。互いを束縛しない、息苦しさのない自由な関係は、「別れ」の可能性をも内包していてどこかしんみりとしているけれど、それでもやはり、それを選ぶことで得られるものって、あるよね。
 あと、これを読んでから『幸せの翼』を読み返すと、なるほど、この「ほほえむ魚」を飼っていた主人公が『幸せの翼』のとあるキャラと同一人物であるというミュージカル版の解釈はアリだなあ、と分かりました。【Amazon.co.jp】


大平一枝『チルチンびとの本3 ジャンク・スタイル・キッチン』(風土社,2007年12月)
 先月読んだ、『ずらり 料理上手の台所』(マガジンハウス)を見つけたとき、書店で隣に置いてあって、なんとなくこちらにも惹かれてしまいました。それぞれ個性的で、あれこれいっぱい好きなものを並べて工夫を凝らした、居心地よさそうな台所が、たくさん紹介されています。新築のシステムキッチンのようなシャープなきれいさはないけれど、古びたものにも味があって。よそんちのキッチンは面白いなあ。いちばん、暮らしぶりに密着しているところだからかなあ?【Amazon.co.jp】


大平一枝(文)+小畑雄嗣(写真)『ジャンク・スタイル 世界にひとつの心地よい部屋』(平凡社,2003年11月)
 上記の本で言われていた、“ジャンク・スタイル”って、ちょっと面白そうかな、と同じ著者のもう少し前の本を見てみました。要するに、骨董品というにはまだちょっと新しいくらいの、100年未満の古さのモノを「ジャンク」と定義し、新品ぴかぴかのものよりむしろそういったアイテムで住まいをコーディネートしてるのがジャンク・スタイルってことでOK?
 まあ、そういう定義なので、取材されてるおうちもさまざま。それぞれの住人が、自分の趣味に合うように「ジャンク」を集めているってだけなので、どのおうちもほかに似ず個性的。写真を見ているだけでも、とっても楽しい。1つ1つの品は、決してセットとしてそろっているわけではないのに、持ち主の好みで選ばれているというだけで、なんとなく統一感があったり。それでも、1つ1つの品の背景には、それぞれ異なったストーリーがありそうにも思えて。そういうの好き。
 ただ、2冊続けてこの「ジャンク・スタイル」本を眺めているうちに、なぜか、なんとなく気恥しい思いも込み上げてきてしまったのでした。たしかに、都会派でスタイリッシュで、ものが少なくてクールでお洒落だけど生活感がなくて……みたいなのより、こういうののほうが、私は好きだ。ほどよく雑然とした、温かみと味のある、住んでる人の顔が見えるおうち。ただ、うーん……なんていうか、そういうのをいくつも連続で見てると、「分かりやすい高級品を使わないことへの自意識」みたいな部分までもが気になりだしたりもして。どんなものについてであっても、自分をも含めた「人の目」に触れることを意識して整えるかぎりは、自意識というものから決して自由ではいられないのだなあ、みたいな。ああそうか、何よりも、こういう本で取材に応じている他人様のおうちを見てあれこれ思っている自分自身を、いちばん恥ずかしく思っているのだわ、私は。これもまた自意識過剰。
 この辺の葛藤については、うまくまとまっていない。また書いてみたい。【Amazon.co.jp】


ナオミ・ノヴィク『テメレア戦記 気高き王家の翼』(訳:那波かおり/2007年12月,ヴィレッジブックス/原書 Naomi Novik "His Majesty's Dragon" 2006)
 ナポレオン戦争時代に、ドラゴンがいたら……という架空戦記もの。テメレア可愛い! ローレンスよい人! とにかくわくわく! 別途、感想文を書きました。【Amazon.co.jp】

Posted at 2008年2月28日 22:57



All texts written by NARANO, Naomi. HOME