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2008年5月31日

2008年5月に読んだものメモ

読了本 | 書籍・雑誌

5月はとうとう、まったく更新しないまま終わってしまいました。本も最後のページまで読めたのは、下記のもののみ。例の映画の感想はDVD(当然、出たら買います)を見直してからということで……(なんとなく、ぐったり)。



酒井順子『いつから、中年?』(講談社,2008年2月)
 『その人、独身』、『駆け込み、セーフ?』に続く、『週刊現代』連載のエッセイをまとめた3冊目。初出は同誌2006年8月5日号〜2007年11月24日号。ちょうど本書収録分の連載中に、40歳のお誕生日を迎えた酒井さん。そのあたりの心境などを綴った箇所を読んでると、自分も数年後にはそういうことを感じるのかなあ、と思ったり、いやそうでもないかなあ、と思ったり。「歳相応」とはどういうものか、なんて基準はあるようなないような昨今、結局はだらだらずるずると、人それぞれに、自分にとって自然なところに落ち着いて、なるようになっていくのだろうなあ。酒井さんみたいに、60代に入ってプラセンタ注射に余念がなかったりするお母さまを見てれば、なるほど「いつまで頑張り続けなければならないのか」みたいなプレッシャーを感じるのも無理はないのかもしれませんが、私などは周囲を見回す余地もないほどヒキコモリ属性が高いので、ぽやーんと何も考えずやりたいことだけやって歳を取りそうな気も。【Amazon.co.jp】


酒井順子『甘党流れ旅』(角川書店,2007年7月)
 初出は『オズマガジン』2001年9月〜2004年8月号。全国津々浦々「甘いもの」めぐりの旅。西日本と東日本で「桜餅」の定義が違うことは知ってましたが、「ぜんざい」の定義も違うというのは、本書で初めて知りました!【Amazon.co.jp】


垣谷美雨『リセット』(双葉社,2008年2月)
 同じ高校に通っていたけど、その後はそれぞれまったく違う人生を送ってきた47歳の女性3人が、30年前に逆戻り。今度こそ悔いのない思い通りの道に、と人生のやり直しを図るのですが……。ストーリー序盤での3人の感じている閉塞感、自分以外の2人に対する劣等感や張り合う気持ちの細やかな描写がなんとも重くて、最初は読むのが辛かった。47歳の記憶を持ったままもう一度17歳をやることになってしまって、1回目の17歳のときには見えなかったいろんなことが見えてしまうのも、やるせない。しかし読後感は前向きでよかったよかった。
 自分が同じシチュエーションに置かれたら……っていうのは、たぶんこれを読んだ人のほとんどが考えちゃうんじゃないかと思うのだけれど、私は、もう一度17歳からやり直すなんて、絶対イヤだ。高校時代に戻ったら体育の授業とかあるし(そこかよ)。
 今の自分の人生が不満ゼロのパーフェクトなものだなんてことは絶対に思わないけれど、時々「若い頃にもっと勉強しておけば」なんて考えちゃったりすることだってあるのも事実だけれど、それでもなんとかかんとか、やっとこさ、ここまでたどり着いたのに、いまさら巻き戻されても困ります。むしろ私は、やりなおしバージョンの人生のほうがさらにぐだぐだになる確率高いような気がして、あるいはなんか大きなドジをやらかして今の年齢までも生き延びられなかったりしそうな気がして、すげー怖いよ。って、なんかうしろ向き? でもほんと、ここまで生きてこれただけでも、めっけもんだと思っているのだ。【Amazon.co.jp】


万城目学『鹿男あをによし』(幻冬舎,2007年4月)
 ネット上のあちこちで一気に書評が出始めた頃も、ドラマ化で盛り上がった頃もスルーしてたくせに、今頃になって読んでおりますよ。いやはや、よくもまあ、こんな妙なお話を思いつくものだわ。すごい「おおごと」なのに、どっかすっとぼけたような、淡々とした文章で進んでいくのが印象的。実写でちゃんと鹿もお話ししてくれたのなら、ドラマもちょこっと観てみればよかったかなあ。
 かつて奈良市内に住んでいたので、出てくる地名にはけっこう馴染みがあり、イメージも湧きやすかったのですが、だからこそ、それらの場所で登場人物や登場動物が標準語をしゃべっているのが、なんだかむずむずします(そういう私自身は、実はあまり関西弁をきれいに操れないのですが)。とは言え、実際にこの小説のセリフがすべて関西弁で書かれていたら、それはそれで、読みにくくてうっとうしいかもしれず。フィクションは難しいねえ。いやそれとも、読み手側の問題? 主人公が勤務する学校の職員室の場面なんかでは丁寧語のセリフがメインで、どっちみち方言の入る余地はそれほど多くはないのだ。だからそういうところでは脳内再生されるイントネーションを関西弁にしてしまえばよかったのだろうか?【Amazon.co.jp】


角田光代『マザコン』(集英社,2007年11月)
 「母」をテーマにした8つの短編が入っています。どのお話でも、主人公はそこそこの年齢に達しており、必然的に、登場する母はすでに老いてきています。それくらいになっても、母と子(本書収録作品のほとんどでは、娘)のあいだには、わだかまるものや捨てきれないものがあるんだなあ(フィクションだけど)。
 えーと、この歳になっても、ふと母親についてのあまり美しくもない思い出が脳裏に浮上してしまい、ずぶずぶと思考の海に沈んでしまったりする自分がイヤになることが多々あるのですが、まあこうして小説にも書かれてしまうほどに、すっきりとは割りきれないことが多いものでありさまざまな気持ちが交錯するテーマなのだと思えば、ちょっとは救われるかも(苦笑)。【Amazon.co.jp】


以下、漫画本。

獸木野生『蜘蛛の紋様 2』PALM 31巻(新書館,2008年6月)
 前巻に引き続き、カーターの過去編に、同時期のジェームスの状況も少し。これまでの巻でちらほらと言及されていたカーターの若い頃が具体的に描かれます。出会った人たちが次々に去っていくなかで、淡々と享楽的になっていくのがなんとも痛々しく。【Amazon.co.jp】


COCO『今日の早川さん』第2巻(早川書房,2008年5月)
 最初の巻と比べると、ぎっちり中身が詰まった印象。いつもは殺伐とした言葉を投げかけ合っているSF者の早川さんと、ホラー者の帆掛さんが、実は強い絆でつながっているところが描かれて、ちょっぴりほろりとしつつも嬉しい第2巻。巻頭の小学生時代(この2人は、幼なじみだったのか!)のお話が、まるで自分の子供時代を見るようでした。それほど本好きってわけではない同級生が「なんか面白い本あったら教えて」と言うので喜んでお勧めしたら「こんなの読めない」って拒否されちゃうとかさあ、もうもうもう(笑)。子供の頃に本好きだった人には、ありがちなエピソードなのかなあ。【Amazon.co.jp】

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All texts written by NARANO, Naomi.