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指輪映画私的覚書〜「旅の仲間」篇〜 [1] (2002.3.16)

1. 映画を見に行った時点での私のスタンス


 まず自分の立ち位置を明らかにしておくと、アメリカで小学生をやっていた 10 歳のときに "The Hobbit"(『ホビットの冒険』)を、11 歳のときに " The Lord of the Rings"(『指輪物語』)を読んで、理解できない部分もありましたが、ものすごくハマりました。1980 年から 1981 年にかけてのことです。以後、数年ごとに読み返しています。ファン歴だけを言うなら、長いほうかもしれません。


 中つ国を舞台としたほかの本は、ほとんど知りません。『シルマリルの物語』は十数年前に和訳版で読みましたが、すでに記憶はかすんでいます。"Unfinished Tales" などの未訳本は、読もうとして挫折しました。大体にして、『指輪物語』そのものだって、何度も読み返しているくせに今ひとつ細かい部分までは内容を把握できていません(鳥頭ってやつ)。つまり、ファン歴の長さのわりに、作品世界に関する知識は少ないです。


 瀬田貞二さんによる和訳版は、中学生の頃に旧訳の赤表紙本(ハードカバー)で読みました。また、今年に入ってから田中明子さんが手を加えた新訳版を文庫で再読しています。したがって、「追補編(Appendices)」の完全バージョンは英語でしか読んでいません。(註:現行の文庫版には追補が収録されていないのです。)


 瀬田訳は原作の世界観を熟考した大変な労作だと思いますし、文章も美意識が感じられて好きですが、実を言うと私自身の「脳内 LotR」は、瀬田訳とはちょっとかんじが違います(私の「読み」の妥当性はともかく)。また多くのファンに支持されている「Strider = 馳夫」という訳に、かなり違和感を抱いています。非常にストレートでベタで通常の人名でないことが一目瞭然な「だっせー」あだ名であるという印象を持っていたので、「馳夫」でもまだヒネりすぎのような気が。(ちなみに今回の映画字幕の「韋駄天」は颯爽としすぎだし作中世界にもそぐわないので、さらに違和感。)でもチャットとかでタイピングするときは「はせお」って楽だー(笑)。


 アニメ版は観たことがありません。が、なぜかパンフレットと、今は亡き『ペーパームーン』(新書館)という雑誌の特集号を持っているので、キャラクター・デザイン等はなんとなく知っています。


 とにかくそんなこんなで、映画に関しては、最初は期待と不安が半々、そのうち予告編などで期待がふくらんではちきれそう、でも期待が大きすぎてがっかりしたらどうしようと思って再び不安が……のサイクルをぐるぐると繰り返す状態でした。ただ、監督ピーター・ジャクソン氏もコアな指輪ファンであること、原作の挿絵で有名なアラン・リー氏やジョン・ハウ氏が美術設定に関与していることなどから、最終的には期待のほうが上回っていたと思います。


→ 2. 全般的感想

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