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指輪映画私的覚書〜「旅の仲間」篇〜 [9] (2002.3.16 / 2002.7.23)

8. キャラクター〜そのほか〜


ギムリ(ジョン・リス=デイヴィス)


 ヒゲが、ヒゲが、ヒゲが三つ編み〜〜♪ ひー、かわいい。うしろもお下げ髪。これがこの世界のドワーフ・ファッションなんですね?


 なんかねえ、映画では、あんまりキャラ立ってなくて悔しい。美しいものを賛美するロマンチストな部分が描かれていないのに加えて、エルロンド会議ではいきなり斧振り上げちゃったりして、なんだかちょっと筋肉バカな印象に(涙)。レゴラスとのやりとりも、ガラドリエルとのやりとりも、省略されてしまいました。残念。DVD の長尺バージョンでは補完されるようですが。レゴラスとの凸凹コンビも好きだけど、今回は特に、森の奥方様とのやりとりがカットされたのが奥方様の描かれ方という観点からも痛い。


 あと、文字で読んでる限りでは、物語に占めるウェイトはレゴラスと変わりないはずなのに、ビジュアル化するとどうしても、ギムリが不利だなあ。いや、三つ編みかわいいんだけどさ。


 雑誌『鳩よ!』のレビューで知ったんだけど、モリアの途切れた階段のギャップを飛び越えるシーンでの、「ドワーフを投げるな」というセリフは、「ドワーフ(矮人)投げ」という古い遊戯を踏まえていたんですね。西洋文化圏の人にとっては「笑うところ」らしい。うーん、フクザツな心境。


 モリアでお墓を見つけて慟哭するシーンは、ちょっともらい泣き。




ガンダルフ(イアン・マッケラン)


 すっっごく良かった!!! 他のキャラクターは原作から自分が抱いていたイメージと完全に重なることはなかったのですが、ガンダルフだけは! もうこれからは多分、原作読み返してもサー・マッケラン以外のガンダルフは想像できません! 『ホビットの冒険』時代の彼とも自然につながるし。ホビットの子供たちに囲まれての花火爺ちゃんっぷり、ビルボやフロドとのやりとりのじわーんとあったかいかんじ、旅の仲間を率いるときのリーダーシップ、戦闘時の厳しいお顔……。


 特に 2 度目に観たときに「くぅっ」とやられたのが、エルロンドの会議でフロドが指輪の運び手として立候補した瞬間の表情。本当は孫のように可愛く思っている、そしてこの場の者たちの中で最も無力であるフロドを、これ以上苦しめたくはない。(ガンダルフは、フロド自身以上に指輪がいずれ彼にとってどれほどの重荷となるかを理解していたはず。)でもそのフロドこそが、この役目に一番ふさわしいということも分かっている。葛藤と悲哀。ここで衝撃の宣言をしたフロド本人からカメラを離して、彼に背を向けていたガンダルフの表情をアップにしてくれちゃうんだもの。思い返すと、とても切ない。




ガラドリエル(ケイト・ブランシェット)


 な、なんか怖いっす……。流し目が、なんか企んでそうで。ギムリがロリアンに入ったときの「この森には魔女がいる」というセリフがあったきり、その後のフォロー(ギムリが奥方に敬服しちゃうという部分)がカットされたので、そのまんま「魔女」のイメージです。しくしく。指輪を前に豹変するシーンの CG も、もうちょっとどうにかならなかったのか。恐ろしさと同時に美しさも残してほしかった。


とはいえ、通常時のビジュアル的には、最初にスチル写真を見たときから「うおーっ。アラン・リーの挿絵をそのまま 3 次元化したようだーっ!」って思ってたし。威厳と「ただものじゃない」雰囲気は充分でしたね。


 DVD のロング・バージョンでは、旅の仲間に贈り物をするシーンもちゃんと入るようなので、そのあたりに期待。




エルロンド(ヒューゴ・ウィービング)


 大変正直に申し上げて、最初に見たときには「えっ、これがエルロンド?」って思いました(笑)。なんとなく、もっと、こう、美麗かつ涼やかなイメージっつーか。ウィービング氏のエルロンドって、けっこう暑苦しいよね(笑)。


 でも、なんとなく納得させられてしまうんですね。ああ、これがこの映画世界におけるエルロンド様なのね……って。「人間離れした」かんじは、けっこう出しやすいお顔立ちかと。


 それにしても、映画公開前にテレビでスポット CM が流れてガラドリエル様の "This task is appointed to you,..." というお声が流れるたびに、「ああ、それは本当はエルロンド様のセリフなのにぃ」と身もだえしていた私です。原作の御前会議でのこのあたりのお言葉、なんだかとっても思慮深い雰囲気で、よかったんだけどなあ。




ラダガスト&グワイヒア


 いや、別にセットにすることはないんですが。ていうか、ラダガスト、出てきてないし! ネット上では、ガンダルフに頼まれてグワイヒアを呼びに行ったあの“蛾”が、実はラダガストさんの変身した姿ではないかなんて説も流布していましたが。わはは。


 グワイヒアもセリフなかったねえ。そもそも、原作読んでない人には、あの鷲が何者なのかということすら、分かりません。ガンダルフが、聞こえるか聞こえないかくらいの声で蛾に向かってささやくエルフ語のなかにグワイヒアの名が聞き取れるのは、完全にファン・サービスだよなあ。エルフ語→英語の字幕も、ここには付いてなかったし。


 しかし踊らされていると分かっていても、ちょっとだけ嬉しいのが、ファンというものなのだ。



→10. 感想まとめ

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