How I became a Guang Liang fan
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2006/12/19
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How It Deepened

私は如何にして光良ファンとなったのか (3)

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そして、それから

 この文章を書いてる今の時点で、光良の歌を日常的に聴くようになってから、9ヶ月ほどが経過しています。今でもやっぱり、聴くたびにそこはかとなくときめいて、しみじみ好きだなあと思います。心がすっかり滅入ってしまうような出来事のあとで、ひたすら光良を聴いて気持ちを浮上させたこともありました。ここしばらく、ちょっぴり色褪せかけていた日々の生活のなかに、新しい光が差し込んだようなかんじ。しあわせ。


 けれども、しかし。中国語がまったく分からない日本在住の日本人が、中華圏でしか活動していないマレーシア人のファンをやるというのは、なかなかにもどかしいことの連続だったりも、するのでした。とにかくもう、さっぱり情報が入手できません。


 私いまだに、「光良」をなんて発音すればいいのかさえ、自信ないですもの。どうしてネットで検索すると、"Guang Liang"、"Kong Leong" と、2種類のアルファベット表記が出てくるの? 標準的な読みでカタカナ表記するなら「グァンリャン」でいいんですか? でも「クァンリャン」みたいに聞こえるときもあるよ? マレーシアの英字新聞サイトのインタビュー記事を見たら、広東語で歌うつもりはないって言ってたけど、以前読んだ本では、一緒にデュオを組んでた品冠と出会ったというクアラルンプールでは、中国人コミュニティの共通語は広東語だそうだよ? ってことはこの人、広東語も普通にしゃべるの? でも第1言語として認識しているのは北京語(というか普通話)なの?――謎は尽きません。


 当然、光良の歌を聴いていたって、歌詞の内容は理解できていませんとも! 心に余裕のあるときには、少しずつ歌詞カードを読んで、ネット上の自動翻訳サービスや最近購入したばかりの中日辞典で、雰囲気だけでも意味を掴んでみようとがんばったりしていますが、そこで初めて「えっ、とってもさわやかな曲なのに別離の歌だったのか!」なんて愕然とすることも。そんな状態なので、自分を「光良ファン」と定義づけすることにも、ものすごく気後れしています。こんなに何もかもを理解できてない私が、ファンを名乗るなんて、おこがましいことなのでは、という気分になってしまうのです。


 もうちょっと日本でも情報が得やすかったりするような人が対象なら、すんなりと自己矛盾なくファンを自認して盛り上がれたのにねえ……と、自分で自分に苦笑するかんじ。



そもそも、いったい

 そんなに分からないことだらけなのに、どこがそんなにツボだったんだろう――なんてことを考えてみるときもありますが、いつも結論が出ないままに終わります。


 声は好きだ。でも、声質だけなら、ほかにも好みの歌い手さん、いるしなあ。曲もいい。でも正直、面白さとか新鮮さはあまり感じてないかな。少なくとも、以前の私が好んでチェックしていたような、才気走ってとんがってたり斜にかまえたりしているタイプではないと思う。むしろ、どの曲もストレートに心地よくて、どっか懐かしいものに出会えたような気持ち? こういう直球勝負なメロディを素直に受け止められるくらいに、私が歳を取って人間が丸くなったということなのでしょうか。でも、とってもきれいな曲を作る人なら、世の中にはほかにもたくさんいるよね? 本当に、なぜ光良だけを、こんなにも私は好き?


 分からないなりに、なんとかかんとか解釈した中国語の歌詞内容は、どれもずいぶんとベタな恋愛ものばかりだったりするし。むかしの私なら、「頭の奥がむずがゆくなって聴いてらんない!」って切り捨てちゃったかもしれないような。なのに光良がこの声で、この歌い方でうたうのは、なんだかすごく胸を衝かれます。


 もしかしたら。原詞が英語でも日本語でもなく中国語である、ということは、私にとって、意味あることなのかもしれません。自分から適度に遠い、今まで習ったことのない言葉。でも適度に近い、漢字を使うアジア圏の言葉。そのおかげで、あまりの気恥ずかしさにのたうちまわってびゅーんと逃げたままに終わることなく、まずはワンクッション置いた状態でそろそろと近づいて、ラブソングのどきどき感を味わってみることができたのかも。とは言え、今までだって、まったく中国語の歌を聴いてなかったわけじゃないよなあ? やっぱり、なぜ光良なんでしょう?


 ただ思うに、おそらく私は今までずっと、心の奥底で、本当は一度、こういう面映いラブソングの世界に、思う存分、身をまかせてみたかったのです。そしてその一方でそれを拒否して、そういうものに惹かれる気持ちの周囲を殻で固めているような部分もあって。その殻のわずかに空いた細い細い隙間みたいなところから、なぜか光良が、どういうわけだか、さまざまな条件を満たしてジャストミートで入ってきちゃった。ほんとに、奇跡的にジャストミートで。これ以上は、いまさら理屈で考えても仕方ない。


 どうせあれこれ考えたって、いまさら光良を知らなかった頃には戻れないのです。



つづく





背景素材 © MIYUKI PHOTO

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